1/10 【読む】きょうじゅ「村雨」


・「村雨」

https://kakuyomu.jp/works/16817139557195255567


 とある村には雨が降った後、問いかけに答えた者の命を奪う子どもの姿をした怪異が現れる。偶然、西洋人の旅人が、それに出くわしてしまい……。2000文字以内で読める、歴史の怪異譚。

 私が主催していた自主企画「問えば響く君の答え」の「雨を降らすのは誰?」への参加作品。


 概要で紹介されているから書くけれど、こちらの作品、フェルナン・メンデス・ピントが出てくる。法螺吹き伯爵? 男爵? でなんか聞いたことあるなぁと思っていたけれど、こちらの方がモデルなのかもしれない。

 あんまり歴史ものを通ってこなかったから、こういう時に無知をひけらかしてしまって辛い。そして教養があったら、もっと書くものの幅が広がるのだろうなと思う。


 こちらの一作、起承転結がはっきりして、すごくすらりと読めてしまうけれど、余韻が深かった。怪異側の気持ちとか、ピントの生き方とか、色々と考えてしまう。

 どうしてこの怪異が怒るようになったのか、という話も趣深かった。多分、「日本昔話の一エピソードです」と紹介されたら、信じる人もいると思う。そういうバランス感覚もとても素晴らしかった。


















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る