12/20 【読む】秋色「空想」


・「空想」

https://kakuyomu.jp/works/16817139556060518699


 シングルマザーの紗季子は、子供の頃の自分と同じく、娘の星菜も空想しがちなところがあり、それを心配していた。その一方で、紗季子の弟の宏行は、姉と正反対で社交的な性格だった。現実の厳しさを描きつつも、ほっこりする味わいの現代ドラマ。

 私が主催していた自主企画「問えば響く君の答え」の「雨を降らすのは誰?」への参加作品。


 秋色さんが描くのは、人間の心の底の優しさを信じたくなるような物語だ。無理解からくる辛さもあるけれど、ただそれも、相手を思ってという前提がある。その分、もどかしさがあるけれど。

 あと、兄弟という関係の描き方も良い。一緒の時間を共有しているからこそ、通じ合えている感覚。私も弟と遊んだ日々を思い出した。


 それから、子供たちの会話も印象的。可愛らしいけれど、あざとくないという絶妙さ。ちなみに、テーマの質問も子供が発したものだった。

 これまで読んだ作品と自分の描いたものを合わせて、六作品中三作品で、子供が質問主だった。あれ、そんな多くない? まあ、雨が気象現象だと分かっている大人からは、なかなか出てこない問いかけなのかもしれない。






















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る