中期

 熱い匂いがする。胸焦がす香りが。彼はいつだって涼やかに隣を歩いている。灼熱の道も、照りつける火の玉も関係なく、ただ冷徹に穏やかに物事を通り過ぎている。


 お前の掌中で人々を躍らせているんだろう。それとも己は神の手の上にあるものだと考え、すでに達観しているのかは分からない。でも俺は、どうあっても彼と離れるわけにはいかないのだ。

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