(5)
「まさか、こんな地下があったとはな……」
白眉の博士は部下たちを引き連れて、暗闇に照らされるライトの先を進んでいた。
ここはクールが見つけた研究施設の地下。
デンジャーはクールから得た情報を博士の元へと送信しており、先回りをさせていたのだ。デンジャーたちのヘリコプターは、まだ優雅に空を飛行していた。
「しかし、かなりキツイのう……」
送られてきた情報を頼りに進んでいくが、辺りは瓦礫が散乱して足場が悪く、かなりの距離を歩いていた。老体の身には厳しい道のりだった。
やがて、目的の場所まで辿り着く。
クールが四苦八苦して開けた幾重の扉をくぐり抜けて、博士一行は広い空間に足を踏み入れた。
「おお!」
博士は真っ先に目についたポッドへと駆け寄り、淡い光が漏れる小さな窓を覗き込んだ。そこには、あどけない少女が安らかな顔で眠っているのが見えた。
「おおっっ!」
より一際大きな声をあげ老人らしからぬ興奮した。
の反動か、心臓がギュッと絞られてしまい、思わず自分の胸に手を当てて呼吸を整え、心臓を落ち着かせた。
「はぁ……はぁ……。ふぅ、本物だったか……」
辺りを見回し、機器の状態を確認する。
「なるほど。情報通りに、非常に良好な状態だ。この装置は、IKW…ホットスプリング社の物だな。大戦前、冷凍睡眠技術では最高峰だった所だな。なら中身は無事である可能性は高いな。解凍方法は、確かこうインプットしたはずだ……。よし、オマエさんたち用意するんだ。丁重にな」
博士は配下の男たちに指示を与え、調査の準備を始める。
「ふむ。さてと、あとはデンジャー様に連絡するだけか」
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