タグ:淫紋、無邪気、猟奇

 部室棟、漫画研究部、部室。

 陽光差し込む部室での、少女と少女の逢瀬。

 黒髪ロングの少女が制服をたくし上げ、その白いお腹を、金髪ツインテールの少女になぞられている。


「はぁ……はぁ……に、虹絵、ちゃんっ……!」

「動かないでと言ったでしょう。じっと我慢して」

「でもぉ……虹絵、ちゃ……、ひゃっ! ……ぁ、あぅぅ~……」

「私に任せておけば大丈夫よ。身を委ねて……力を抜いて……」

「んぅっ……やぁぁ……ぼ、ボク、恥ずかしいよぉ……。ぁ……んくぅっ……」


 と、ここで虹絵が、ピンクのマーカーでちょこ子のお腹にハートをあしらった紋様を描き終えた。

 ちょこ子はようやく終わったことにほっとした。

 虹絵は達成感と興奮で目を血走らせ息を荒げた。

 部室の扉がバンッッと開いて小柄な少女が突入してきた。


「タノモー!」


 ちょこ子は突然すぎて巨大隕石衝突即人類滅亡レベルに錯乱した。


「ぎょわぁぁっ!? 誰!? こっこれは違うんでふゅっ! 決してサキュバスの淫紋に興味があって描いてもらってたとかじゃ! 少なくともセックスはしてない! 女の子同士でセックスするわけなくないか!? 触手とかスライムに溶解されるとかの方が全然いいですし! 首絞められながらお腹とか殴られる方が絶対いいですよやったことないけど! フュ、フュヘヘェッ、とにかくセックスはしてなくてあっでも虹絵ちゃんとセックスしたくないって意味ではないっていうかつまりはただ淫紋描いてもらってただけだからぁっ!」

「え? セックスしてたナノ?」

「してない!!」

「あら? あなたは確か一年のモニカ・ピューロペトゥヴァーリさん。突然どうしたのかしら。私たちはいま、漫画研究部としてイラストの制作活動に励んでいたのだけれど……何か用事?」


 地獄の底まで墓穴を掘り進めたちょこ子と、顔を瞬時に穏やかな表情に変えて優雅に紅茶のカップを傾けながらすべての証拠の隠滅を図る虹絵という、対極的なふたりであった。


「デモ、さっき扉越しにすごいエッチな声聞こえてきてててたダヨ! ゼッタイ、エッチしててたナノダヨ!」


 敗色濃厚であった。


「どうやって消そうかしらこの子」

「虹絵ちゃんこわい」

「あのネ、モニカね、エッチマンガ部に入部しにきたナノ! はいコレ、入部届!」

「えっ!?」

「わはぁ~、エッチマンガ部、狭いナノダな~! エッチしてたら匂いの充満のしちゃいそうナノ~」

「あ、あの、あなた……」

「ねえねえ、モニカ、エッチマンガ部入っていい? いいヨネ!? モニカ、お絵描きじょうずナノダヨ! ホラ見て! 画用紙にクレヨンで描いた、お腹をおっきな棘で貫かれて断末魔上げてるのカワイイの女の子!」

「えぐ」「おえ」

「こういうのイッパイかけるよ! イッパイお絵描きしたいナノ! これからよよしくネ、エッチマンガ部のせんぱいタチ! エヘッ!」

「あの。モニカちゃん」

「ン?」


 虹絵はやや青ざめながら言い含めた。


「漫画研究部だから」

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