12月5日 もし、そうなってしまったら…

 前述した通り、彼・太郎の愚行により、私は彼の頬に平手打ちをかました。

 だが、それ以上のことはしなかった。理由は至って単純。我々が余所者よそものだからである。

 我々が今いるのは、イギリス。来ておよそ2週間経過したにも、関わらず未だ、交通ルールの何たるかもしれない異国の法に、裁かれるのは、気の進まないことであった。

 しかし、私の妄想癖が、それで終わるとは、思っていなかった。

 彼は、彼と一緒にいた者達は、当然のように私と距離を置いた。

彼は、反省しているのだろうか…

私と彼が距離を置いた所で、この問題が解決したことにはならない。

この問題の最重要な部分は、彼・太郎の精神的問題だからだ。

これを書いている一瞬に最も実現してはならない考察が頭をよぎった。

太郎のではないだろうか?

考えるだけで、気が滅入ってしまう。ここ最近は、私の不注意が原因で、睡眠をしっかりと取れていない。

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