俺の人生を変えた下宿屋のおばさんと、その娘

春風秋雄

12年ぶりの街

バス停を降りて、記憶をたよりに足立さんの家を目指す。この街に来るのは大学卒業以来だから、12年ぶりになる。学生時代の思い出が蘇ってきた。あの頃はやんちゃしていた時もあった。夜中に友達と騒いで足立のおばさんによく怒られていた。懐かしい。その足立のおばさんが亡くなったと知ったのは先日喪中葉書が届いてのことだった。

俺は大学生活の4年間、足立さんのお宅に下宿していた。俺が足立さんのところに下宿することになった経緯は、高校の担任だった山田先生の紹介だった。うちは貧しく、大学進学はせずに就職するつもりでいた。ところが山田先生が「福西、お前の学力なら東京の国立大学へ行けるから」と強く大学進学を進めてくれた。地元と違い、東京は物価が高い。それにアパート代とか考えると、バイトをしても無理だと言うと、先生の教え子が東京にいるので、そこに下宿すれば良いと足立さんを紹介してくれた。足立のおばさんが学生を下宿させるのは俺で3人目だと言っていた。すべて俺と同じように山田先生からの紹介だ。足立のおばさんは、山田先生に恩義があると言っていた。詳しくは教えてくれなかったが、今こうやって東京で幸せに暮らせているのは山田先生のおかげだと言っていた。だから足立のおばさんは、山田先生から頼まれたら断れないし、何より、自分も助けられたように、苦労している学生を助けてあげたいと思っていると言っていた。

足立のおばさんは、旦那さんに先立たれており、一人娘と二人暮らしだったが、その娘も結婚して家を出ており、古い家に一人住まいだった。年は40代後半だったと思うが、昼間は近所の洋品店で働いていた。

下宿代はわずかな食費しかとらなかった。本当にこれで食費はまかなえているのだろうかと思う金額だった。足立のおばさんは、その代わりアルバイトは最低限にして勉強しなさいと言ってくれた。そう言われて俺は、1年、2年の時は真剣に勉強をした。しかし、3年になると、新しく出来た友達と遊ぶようになった。お酒の味も覚えて、アルバイトで稼いだお金を握りしめて、友達とクラブに踊りに行ってナンパもした。友達が下宿に泊りにくることも度々あった。酒の酔いも手伝って夜中まで騒ぐこともあった。その都度足立のおばさんに「何時だと思っているの」と怒られた。

そんなことが繰り返されたある日、足立のおばさんが改まって俺に言った。

「福西君、あなた、勉強する気がないなら、ここを出て行きなさい」

俺はその言葉に金槌で頭を殴られたような衝撃を受けた。

「あなたは、何のために東京へきたの?」

俺は何か言わなければと思うが口が開かない。

「山田先生が、どんな気持ちで私に頼んできたと思っているの?そして、私がどんな気持ちであなたを引き受けたと思っているの?それに応えられないのなら、ここを出て行って下さい」

ここを出て、東京で暮らせるわけがない。

「ごめんなさい。僕が間違っていました。これからはちゃんと勉強に専念します。だから、ここに置いて下さい」

俺は泣きながら足立のおばさんに懇願した。

「多少の遊びはいいの。友達との付き合いも大事。今しか経験出来ないこともある。でも、あなたが東京へきた目的を絶対に忘れてはいけないよ」

最後は優しくそう言ってくれた。それからの俺は、遊びはほどほどにして、勉強に励んだ。そのおかげで、大学在学中に司法試験に合格した。

今の俺があるのは、足立のおばさんと、山田先生のおかげだ。その山田先生は4年前に亡くなり、そして今度は足立のおばさんもいなくなってしまった。


懐かしい家の前に立って、俺は呼び鈴を鳴らした。ほどなく娘さんの裕子さんが玄関を開けてくれた。

「淳くん、久しぶり」

「ご無沙汰してます」

裕子さんは、俺が大学4年になった時に、離婚して家に戻ってきた。だから1年くらいは一緒に暮らした。おばさんは俺のことを福西君と呼んでいたが、裕子さんは初対面から下の名前の淳君と呼んでいる。卒業してからはずっと年賀状や暑中見舞いのやりとりをしていたが、それで知る限り、再婚はしておらず、ずっとこの家で暮らしているようだった。

裕子さんに案内され、仏壇に線香をあげ、手を合わせてから居間の座卓で向き合った。

「教えてくれれば、葬儀に駆け付けたのに」

「ほんの身内だけの家族葬にしたから」

「まだ若かったのに、残念ですね」

「私が仕事から帰ったら台所で倒れていたの。すぐに救急車をよんだけど、ダメだった。くも膜下出血だったみたい」

足立のおばさんは、まだ62歳だった。まだ若いから、いつでも会いに行けると思っていた。仕事の忙しさを言い訳に、挨拶に行くのを先延ばしにしていたが、とうとう会えずじまいになってしまった。

「淳君は弁護士になったんだよね?ちょっと見てもらいたいものがあるんだけど。書類を整理していたら、こんなものが出てきて」

裕子さんが取り出したのは、金銭消費貸借契約書だった。契約者は別人だが、足立のおばさんの名前が連帯保証人欄に書いてあった。金額は2000万円。

「借金も相続すると聞いたけど、保証人の立場も相続するの?」

「相続は、負の遺産もすべて相続するので、保証人の立場も相続することになります」

「じゃあ、相続放棄した方がいいのかなぁ」

「この家は持ち家ですか?」

「そう。お母さんの名義になっている」

「預金とかは調べました?」

「定期預金に300万円。あとは普通預金に数十万円入っているだけ」

「預金に手を付けた?」

「まだ何もしていない。銀行へ行ったら、相続手続きをしてからにして下さいと言われて、葬儀費用とかは私のお金から出したの」

遺産に手を付けていないのであれば、限定承認ができる。おばさんが亡くなったのは2か月前だ。相続手続きの期限3か月までにはまだ時間がある。

「相続放棄をした場合は、保証人の立場は他の相続人が引き継ぐことになるので、親戚の人に迷惑をかける可能性もあるから、限定承認をするという方法もあります」

「限定承認って何?」

「簡単に言えば、相続する財産の範疇で借金などを支払って、残った財産だけ相続するということ。プラスの財産よりマイナスの財産の方が多い場合は、その超過分に関しては相続しなくてもいいんだ」

「それなら、最悪この家とお母さんの預金を差し出すだけで、すべては終わるということね?」

「そういうこと」

「なんか難しいけど、淳君に手続きをお願いしてもいいかな?」

「お安い御用だよ。僕の方ですべて手続きをしておくよ」

「報酬はちゃんと支払うから」

「そんなのはいいよ。おばさんには恩を返せていないから、これくらいのことはやらせて」


調べたところ、主債務者はほとんど返済済みで、残債は大したことなく、色々心配したことは杞憂に終わった。他に負債はなかったので、通常の相続にして、裕子さんに書類や印鑑などを用意してもらい、何回かやり取りしたあと、土地家屋の名義も裕子さん名義に変更できた。

すべての処理が終わり、登記簿を持って足立家へ相続手続き完了の報告へ行った。

「ありがとう。助かった。今日は夕飯食べて行って」

裕子さんがそう言って夕飯の支度をしだした。

裕子さんは俺より4つ年上だから、現在38歳だ。仕事をしているからなのか、年より若く見える。あの頃も綺麗だったけど、今は妖艶な魅力がある。

この家で食事をしていると、学生時代に戻ったような錯覚を覚える。

「淳君は結婚しないの?」

「そういう女性と巡り合ってないですね。今は彼女すらいないです」

「淳君は理想が高いのよ」

「そういう裕子さんはどうなんですか?おばさんもいなくなって、ここに一人じゃ寂しいじゃないですか。そろそろ再婚を考えたらどうですか?」

「私は嫁失格の烙印を押された女だから」

裕子さんは自虐的に笑いながら言った。

「でも、離婚の理由は子供が出来ないからと言うことだったんでしょ?38歳の裕子さんに、これから子供を期待する男はいないですよ。だったら、今から出会う男性は裕子さんに嫁失格だということはないじゃないですか」

裕子さんは、結婚して2年経ってもなかなか子供が出来ず、病院へ行って検査したところ、非常に子供が出来にくい体だったことがわかり、先方の母親が離婚を迫って来たそうだ。

「まあね。でもね、離婚の理由はそれだけではなかったの」

「そうなんですか?他に何があったんですか?」

「夫だった人はね、結婚するまでは、とても優しくて、私を大切にしてくれる人だったの。ところが、結婚した途端に私の意見は無視して、自分の我を通そうとするようになったの。男の人って、結婚して自分のものになったと思ったらそうなるんだなと思った。これなら結婚せずに恋人同士のままが良かったなって思っちゃった。だから、あれから何人かの男性と付き合ったけど、結婚する気はまったくなかったからプロポーズされるたびに断っていたの。そしたら、相手の方から去って行っちゃった」

「男の人すべてがそういう人ではないですよ。僕の周りにも結婚しても奥さんを大切にしている人、たくさんいますよ」

「そうかもしれないね。でもね、私の夫だった人も外面は良くて、よその人の前では良い夫を演じるの。だから会う人からは奥さんを大切にしてくれる旦那さんでいいですねと言われていたの。夫婦のことは夫婦でなければわからないものよ。淳君の周りの夫婦も本当は違うのかもしれないよ」

裕子さんは、結婚に対してトラウマになっているようで、いくら俺が周りの夫婦の具体的な例をあげても、しょせん他人である淳君から見た印象でしょ?と言って取り合おうとはしなかった。


裕子さんが今日は泊まりなさい、ゆっくりお酒を飲もうというので、明日は休みだったので俺はそれにしたがって、腰を据えて飲み始めた。かなり酔いが回ってきたところで、俺は言った。

「じゃあ、裕子さんは、結婚はしないけど彼氏を作るのは問題ないんですか?」

「それは全然問題ない。でも相手が結婚を望んだ段階でジ・エンド」

「わかりました。じゃあ、結婚は望みませんから、僕を彼氏にしてください」

「あら、うれしい。淳君が私の彼氏になってくれるの?」

「僕は本気です。僕はずっと裕子さんが好きでした。僕を彼氏にしてください」

「うれしいけど、淳君はまだ若いのだから、結婚できる女性と付き合った方がいいよ」

「婚姻関係を結ぶというのは、法律的に配偶者を保護するということが目的です。特に不貞行為を防ぐということと、相続の問題です。僕は裕子さんと付き合ったら浮気をすることはありません。相続に関しては、多少税金はかかりますけど、遺言書を作成しておけばいいですし、僕は裕子さんの財産をあてにすることはないです。だから、婚姻関係にこだわる必要はないです」

「法律家は言うことが固いね。でも淳君は浮気しないかもしれないけど、私はするかもしれないよ」

「え」

「なーんて、私だって決まった相手がいるのに他の男となんて、そんな器用なことはできないよ。でもね、淳君はちゃんと結婚して、子供を作った方がいいと思うよ」

それから俺が何か言おうとすると、裕子さんは「もう眠いから、そろそろ寝よう」と言って、片づけを始めた。


裕子さんは、俺が下宿していたときに使っていた部屋に布団を敷いてくれた。懐かしい。布団の中から天井を見ていると、昔のことが思い出された。実は、俺は裕子さんと1回だけ関係をもったことがある。卒業式が終わり、あと1週間で下宿を出るという時だった。おばさんが洋品店の慰安旅行で1泊の旅行へ行った。その日は俺と裕子さんの二人きりになった。今日みたいに二人でお酒を飲んで話している時、俺の女性経験の話になった。3年の時は友達とクラブへ行ってナンパして、それなりに経験していたが、おばさんに怒られてからは勉強に専念していて、この1年くらいご無沙汰だと言うと、その夜、俺がこうやって寝ていると裕子さんが部屋に入ってきて、「絶対にお母さんにバレないようにすること、そして1回限りで、2度目はないと約束できる?」と聞かれて、俺は約束すると言ったら、裕子さんは俺の布団に入って来た。あれ以来、俺は結婚するなら裕子さんみたいな女性と結婚したいと思うようになった。

そんなことを思い出していたら、部屋の襖が開く音がした。そちらを向くと、裕子さんが部屋に入って来た。

「淳君と結婚はしないし、付き合うつもりもないから、淳君はちゃんとした相手をみつけること。そして、そういう相手がみつかったら、二度とここには来ないと約束できる?約束できるなら、たまに遊びにくるのは歓迎するけど」

「わかった。他に彼女が出来たら二度とここには来ないと約束する」

俺がそう言うと、裕子さんは俺の布団に入って来た。


12年ぶりに裕子さんと一夜を過ごした翌週末に、俺は裕子さんに会いに行った。裕子さんは「もう来たの?」という顔をしていたが、俺が「たまに遊びに来るのは歓迎すると言っていましたよね」と言うと家に上げてくれた。

それから俺は、毎週金曜日の夜に裕子さんの家へ行き、日曜の夜帰るということを繰り返した。そのうち裕子さんは、俺が来ると笑顔で迎えてくれ、料理を作って待っていてくれるようになった。

2か月ほどした頃、日曜日の夜に料理がおいしくて、ついついお酒を飲んでしまった。当然、車の運転はできない。しかたないから今日も泊まりなさいという裕子さんの言葉で、初めて日曜の夜も泊まった。月曜日の朝、裕子さんの家から直接電車で出勤した。事務所の連中は俺がスーツではなく、カジュアルな服装で現れたので驚いていたが、その日は来客予定も外出予定もなかったので、1日そのままの恰好で仕事をした。裕子さんの家から事務所までは電車で50分程度だった。郊外に住むサラリーマンであれば普通の通勤時間だ。

翌週、俺は裕子さんの家へ行くとき、仕事用のスーツを持って行った。そして日曜の夜も泊まると言うと、裕子さんは何か言いたそうだったが、結局何も言わず、俺を泊めてくれた。月曜の朝、こんどは車で事務所へ行った。高速を使って50分程度で事務所に着いた。電車でも車でも時間は変わらなかった。

俺は裕子さんの家へ行くたびに、何かあったときのためにと、着替えを置いておくようにした。そして、日曜日の夜も泊まることが普通になってきた。


ある日、布団の中で裕子さんが聞いた。

「ねえ、淳君は彼女を作ろうとしないの?」

「僕は今の生活に満足しているから、あえて彼女を作る必要がないな。裕子さんは、こうやって僕が来ることは迷惑?」

「迷惑ではないけど。たまに遊びにくるのは歓迎って言ったけど、こんなに来るとは思ってなかったから」

「僕にとっては『たまに』だよ。僕は毎日でも来たいんだから」

「毎日行ったり来たりは大変じゃない」

「じゃあ、ここに住んでもいい?」

裕子さんは返事をせず、向こうを向いてしまった。


翌週末、俺は大量の荷物を車に積んで裕子さんの家へ行った。荷物を見た裕子さんは驚いていたが、何も言わず荷物を運ぶのを手伝ってくれた。それから俺たちの同棲生活が始まった。

同棲して半年が過ぎた頃、裕子さんが体調不良を訴えてきた。俺は何か変な病気でないかと心配になった。この年で、やっと幸せな時間を過ごせるようになったのに、裕子さんに何かあったらと思うと、気が気でなかった。その日裕子さんは仕事を休んで病院へ行くと言っていた。俺は仕事を早く終わらせ家に帰った。俺を迎えてくれた裕子さんが神妙な顔をしていた。

「病院、どうだったの?」

「とりあえず座って」

居間に向かい合って座ったが、裕子さんはなかなか口を開かない。

「ねえ、どうだったの?」

俺は急かした。

「・・・してた」

声が小さすぎて聞こえなかった。

「え?何?」

「妊娠してた」

俺はその言葉を理解するのに数秒かかった。

「妊娠してた?」

「うん、3か月だって」

「どうして?」

「ごめん。ちゃんとおろすから」

「ごめん、変な聞き方した。出来ないと思っていたから、どうしてかと思って」

「妊娠しづらい体質なのは確かだけど、可能性がないわけではなかったの。それがたまたま・・・」

「裕子さん、産んでください。お願いします」

「産んでいいの?」

「当たり前じゃないですか。それと、生まれてくる子供のためには父親が必要です。結婚してください」

裕子さんは返事をしなかった。

「やはり結婚は嫌ですか?結婚すると僕も変わってしまうと思いますか?」

しばらくして裕子さんが口を開いた。

「淳君は、結婚しても変わる人じゃないとわかっている」

「だったら…」

俺が畳みかけるように言おうとすると、再び裕子さんが話し出した。

「お母さんはね、私たちのあの日のことに気づいていたの」

あの日のこととは、俺たちが初めて関係を持った13年前のことだとすぐにわかった。

「私を見る淳君の目をみれば、すぐにわかったって言っていた」

そうだったのか。俺は裕子さんに約束したように、おばさんには絶対バレないようにしていたつもりだったのに。

「その時、お母さんに言われたの。福西君は将来のある子だから、これ以上深入りしてはダメだよって」

おばさんは、そんなことを裕子さんに言ったんだ。

「私ね、あの時は離婚した寂しさもあって、夜這いまがいの事をしてしまったけど、淳君のことは好きだったの。そしてあのことがあってからは、その気持ちはどんどん大きくなってきた。年賀状や暑中見舞いが来るたびに、ほんの1行か2行書かれている淳君の手書きの文字を何度も何度も読み返していた。他の男の人と付き合えば、淳君のこと忘れられるかなって思ったけど、やっぱり駄目だった。何年か前に年賀状を見ていたら、お母さんが言うの。裕子はまだ福西君のことが好きなのかい?って。私が何も答えずにいると、あなたが子供を産める体であれば応援してあげたいけど、子供を産めない裕子を福西君に押し付けたら、私は山田先生に顔向けできないってね」

裕子さんの声が涙声になってきた。

「だから、私は淳君のことは諦めていたの。そしたら、再会してお酒を飲んだ日に、淳君がずっと私のことを好きだったって言ってくれて、本当にうれしかった。でもお母さんの言葉が頭から離れなくて、淳君は私以外の女性と結婚するべきだと、自分に言い聞かせていたの」

裕子さんにつられて、俺も目頭が熱くなってきた。

「でも、子供ができちゃった。子供ができたんなら、お母さんも許してくれるかな?」

俺は立ち上がり、裕子さんの隣に座り、裕子さんを抱きしめた。

「おばさん、きっと喜んでくれますよ」


高齢出産の場合、母体も心配だが、産まれてくる子供にダウン症などの障害が懸念されると言われたが、何とか無事に産まれてくれた。

お宮参りのあと、足立のおばさんの墓参りに行った。裕子さんは、一生懸命お母さんに報告をしていた。俺も心の中で足立のおばさんに呼びかけた。

“おばさん、いや、お義母さん。あのとき、東京へ来た目的を忘れないようにって言ってくれましたね。どうやら、僕が東京へ来た目的は、大学へ通うことや弁護士になることではなく、自分自身の幸せをつかむためだったようです。山田先生と、お義母さんのおかげで、僕は本当の幸せをつかみました”

お墓の中で、足立のおばさんが、ニッコリ笑ったような気がした。


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