『スライムの滝』リザルト
コラボ(とお花摘み)を終えて、個人ホームに戻ってくる。
ダンジョンブレイバーとの報酬打ち合わせはあらかたあらかじめしてあったし、ドロップ品も『割れたレッドヒュージスライムコア』という分けやすいものであったのですんなりと調整が終わった。
尚、本物のダンジョンを攻略した報酬については配信報酬とは別扱いだ。
「と、いうわけでリザルトですわよ……!」
皆で稼いだお金だ、一体いくら入っているのだろう――
と、カロナは片眼を閉じたまま、そっとリザルト画面を開いた。
報酬金額のページが開き、恐る恐るちらっと薄目で確認する。
”初めてマルチダンジョン行ったときのこと思い出すなぁw”
”全く同じ挙動してるぞお嬢w”
”比較動画出したら完全一致しそうw”
「う、うるさいですわよっ! まったくもう、皆さまったら! からかわないでくださいまし――!?!?」
そしてカロナは報酬ページの金額を見てしまった。
――――26万3502円。それが今回のクリア報酬の合計だった。
「えっ」
思わず二度見するカロナ。
そこにはやはり、26万円、と書かれていた。
「ええっ」
そこには、ちゃんと26万円と書かれていた。というかこの反応も以前の初マルチダンジョンクリア時のリアクションと完全に一致している。
「きゃ、きゃぁああああーーーーーーーー!? 26万円!? 13万くらいではなかったんですの!?」
”おおー! すっげぇ、初心者向けダンジョンが
”『スライムの滝』が初心者向けの皮を被った中級レベルのダンジョンだったからって可能性があるな”
”まぁ、ボスが魔法使ってきたしな。ヤマトが打ち返してたけど”
しかもこの後、配信の収益が入ってくるのだ。ダンジョンブレイバーとの契約もあり、あちらからのコラボ配信収益の9割も入ってくることになっている。
これは今後の収益が楽しみでしかない。
「おぉ、おぉぉぉう。やべーですわ本物のダンジョン。というか、国はこんなにホイホイお金配って大丈夫なんですの??」
”さすが日の丸親方、お金持ちですわねー”
”それだけダンジョン災害は怖いってことだ。現実に影響でたらこのレベルじゃない被害額だろうし”
”半分はBCDの収益で賄われてるらしいぞ”
”そういや国営ゲームで下請けがほぼないから手数料も最小限なのか”
”中抜きされてない対策費用……ってコト!? つよつよじゃん”
”ほんそれ。孫請けの孫請けとかだと中抜きがシャレにならんからな……”
”大昔の伝染病対策のアプリ開発ん時の経験が生きたな。あんときはグダグダだった”
「あー、ダンジョン出ると建物もぐちゃってなりますものね。リフォームどころではないですわ。確かに、ここでケチったら大変なことになりますわね」
”実際ダンジョン対策がとれてない・遅れた国は企業とかの活動が停滞して、経済死んだも同然だからな。ケチったらやべぇことになる”
”あー、経済活動が活発なほど『デブリ』も多いって話だもんな”
「なるほど……まぁBCD、それなりに稼げてそうですし、それも強い!」
国営で、ダンジョンが発生する限りサービス終了もない。ダンジョンが絡まずとも配信ツールとして優秀すぎる。とんでもないゲームですわよね、とカロナは呟いた。
”経済大国ほどダンジョン対策は必須よな。BCDは海外鯖もあって、置いてある国から利用料も取ってるし”
「そういえば海外ニキとかもいますものね。ウチの配信では見ませんけど」
”あ、俺アメリカ在住だよ。日本人だけど”
”まじか、お嬢の配信グローバルやったわ”
”海外ニキ!(日本人)”
「まじですの!?……ハ、ハロー!? はうあゆー? アイファインセンキュー、ふぁっきゅー?」
”日本人つってるやろ!www”
”そもそも日本語でチャットしてるだろーがwww”
”まぁ本物の海外ニキが混じってても翻訳優秀だから気付かないかもだけど”
”【300¥】「私は健康です」からのファッキューは草なんよwwww”
”義務教育の敗北wwww”
”これ放送事故じゃね?www”
その後、感謝のスパチャ読みをして配信は終了した。
ダンジョン
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