ダンジョンクリア
《竜胆寺カロナちゃんねる:コメント》
”土星助かる!”
”【1000¥】88888888888888”
”土星助かる”
”土星助かった”
”【5000¥】丁度土星切らしてた”
”【300¥】新技、お嬢様キック出たな……!”
《ダンジョンブレイバー:コメント》
”いいおみ足だった! 感動した!!”
”【1000¥】クリアおめでとう、玉ヒュンした”
”踏まれたくなったぜ! カロナ嬢のチャンネル登録してくるわ!”
”↑えぇ……? まぁ俺もチャンネル登録はするけどさ”
”【300¥】土星てw どうなってんのそっちw”
カロナイト達とポーター達がカロナの健闘を讃えながら交流する。
コメントの流れも今日一番で早く、本物のダンジョンをクリアしたご祝儀スパチャも飛び交っている。
「っぶねぇーですわ、手足に消化ダメージが。あたたた……」
「カロナちゃん、やったわね! ヒール!」
ヒュージスライムが消えて落ちたミスリルメイスを拾って、サクラは回復魔法を使う。カロナのHPゲージの
「あら? 治りましたわ!? こ、これが回復魔法!! 初めて受けましたわ……おお、HPも回復してますわ! すっげぇですわね、僧侶って」
「私からのご祝儀よ。今回はタダでいいわ」
にっこりと笑うサクラ。女僧侶らしい慈愛の笑みだ。
「ああ、普段は有料なのですわね」
「そりゃあね。MPも有料なのよ、じゃなきゃいくらでもお金稼げちゃうし」
お金やスパチャポーションで回復するより、回復魔法で回復した方が少しだけ安上りではある。その差額以内であれば交渉して回復魔法をかけてもらうのもアリだ。
「よろしかったのかしら? 私も皆さんになにかご祝儀を、えっと」
「臨時とはいえパーティーメンバーだ。気にするなカロナ嬢」
「むしろカロナちゃんがいなかったら俺ら普通に負けてただろうしね」
「私達の分も突っ込んでくれたんだから、むしろ必要経費っていうか。経費分払わなきゃ不義理ってなものよ!」
そう言われて、カロナは納得した。
と、カロナ達が談笑していると、この短時間でダンジョンを踏破してボスエリアまで到着できる強者がやってきて、カロナ達に祝辞を述べて帰還していった。
「……っだああああーーーーーー!! 間に合わなかったンゴーーーーーーーーーー!」
「くっそー、いい稼ぎになると思ったのに。解散解散! お疲れー!」
「ちくしょう、おめでとう! じゃあな!」
彼ら的には「すぐに帰ってもよかったのだが、一応ここまで来たしボスエリアまで覗いておくか」といったところだろう。
あるいは、ボス部屋まで到達できるほど侵攻したアピールで、貢献度報酬がアップするのかもしれない。
「ありがとよ、ダンジョンブレイバーをよろしくなっ! っと、カロナ嬢。俺達もそろそろ引き上げるか」
「ええっ! そうですわね。リザルトが楽しみですわ!」
本物のダンジョンは、クリア先着1名。
ダンジョンが攻略されたので、このダンジョンはあとは消えるだけだ。
「そういえば元のダンジョン、『スライムの滝』はどうなりますの?」
「ん? ああ。データ自体はあるわけだし、また設置されるんじゃないか。そこはダンジョンマスター次第だけど」
ギミックの割れたダンジョンを再公開するかどうかだな。とヤマトは言った。
対応するのであれば多少は手直しをしての再設置になるだろう。
「スライムゴルフの練習になかなか良いダンジョンでしたから、もし次の機会があるなら便利だなって思っただけですの」
「それは確かに」
《ダンジョンブレイバー:コメント》
”ヤマト、魔法打ち返してたもんな”
”マジックシリンダーって固有スキルがあるけど、あれと同じじゃんな”
”強くなったな、ヤマト!”
《竜胆寺カロナちゃんねる:コメント》
”いやマジでこれは広めるべきだわ”
”でも広め過ぎたら同業者が強くなって稼げなくなるかも……秘匿したい……!”
”『スライムの滝』、再公開してほしいなぁ。スライムゴルフの修行したい”
と、帰還処理が始まる。
「それでは皆様、ありがとうございましたわ! 初めてのコラボが皆さまとで、本当に良かったですわ!」
「ああ。まさかダンジョンが
「スライムゴルフも、バットだけど習得できたしな! ってか魔法打ち返してたもんなヤマト。これ今後すげー役立つだろ」
「私も、今後飛び道具のはたき落としくらいは出来そうね」
と、ここで「あっ」とカロナが補足する。
「いろんな打ち方を覚えていけば、最終的にはどんな体勢からでも、歩きながらでも打ち返せるようになりますわ。修練は続けてくださいましね?」
「そういえば最初のきっかけになったあの動画では、歩きながらスライムをブチ飛ばしていたな……」
「歩きながらバット振るう練習するわ……」
「バドの守備範囲を考えたら、まぁ、いけるかしら……?」
《竜胆寺カロナちゃんねる:コメント》
”乙カロナー!”
”おつかろなー!”
”いいコラボだった、掛け値なしに”
《ダンジョンブレイバー:コメント》
”お疲れ! また冒険しような!”
”また冒険すっぞ! じゃあな!”
”こんどそっちの配信見に行くわ!”
お互い貴重な経験になったと、お互いの視聴者も込みで、満足のいく初コラボ配信であった。
……尚、ホームに戻ってすぐカロナは一度離席した。お花摘みであった。
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(一気に書いてちょっと疲れましたわーーーーーーー!!)
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