第9話 真実の目

「No.516 中村理沙」

「は、はい」

急に呼びかけられて私は慌てふためく


「今入ってきた報告によると君の採点結果に変更があったようだ。」

「へっ?」

あまりの事に私は素っ頓狂な声を出す。


「改めて伝えよう No.516 中村理沙 君の点数は…」


「334点だ」


「ちょ、ちょっと待って、え?」

「おい!どういう事だ!?」


ほぼ同時に私と金山は声を上げた


「さて、どうやら時間も迫ってきたようなので結論から読み上げる」

ケンは再び携帯を取り出し、高島の時と同じように入力した後

金山の書類にサインをした。


「No.499  金山浩之 17/500点」

「地獄行きを命ずる」


「ちょ、ちょっと待ってくれ!弁解させてくれ!」

「や、前世での行為は反省している 本当だ!」


そういうと金山は自身のズボンのポケットの中をごそごそと漁った。

直後、帯の付いた白紙の束がテーブルの下に舞い散る。


「え?あ、あれ? あぁ…」

金山はうめき声を上げる。


「そんなモノがここで役に立つと思うか?」


ケンが大きく手を振り窓の外に合図をする。

いなや、二人の屈強な男が現れ金山は高島とは別のドアの向こうへ

連れ去られていった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る