第7話 届かぬ声

高島の告白により辺りが神妙な空気に包まれる中

その静けさを破るように金山が叫んだ。


「そ、それが一体どうしたと言うんだ!?」

「死んだのはあいつの勝手だろう?それが一体私に何の関係があると言うんだ?」


「報酬もたくさん与えてやってたぞ!それに何の不満があると言うんだ

 しかも何でその大きな減点材料になる自殺した高島よりも

 事故死した俺の点数の方が低いんだ? 納得いかん!」



「まだ分からんか、私に全部話させる気か?」


ケンは語気を強めてそう言うとじっと金山を見据えた。




「偽装を指示してたのは全部あんただよな?」



「なっ!!」


金山は顔を歪めて焦りの表情を浮かべる。


「この期に及んで部下に責任をなすり付け、自分はさっさと死んで後は知らん顔

 残された者がどれ程の心労、苦悩に苛まれていたか考えた事はあるか?」

「高島は罪の意識による良心の呵責かしゃくから声を上げる事なくもがき苦しんだ」

「まぁ理由は如何いかんを問わず、自死という行為は許されるものではないがな」


「しかし…」



   「その背景には全部あんたが隠れてるんだよ!!」



金山は茫然自失として天を仰ぎ、その目は宙を彷徨っていた。



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