第4話 空腹な幸福
「これってもしかしてメニュー?」
その透明な小さなケースを手に取り
私は目を輝かせながらケンに尋ねた。
「ああ、そんなにたいしたモノはないが…」
「サンドウィッチ!この分厚い玉子焼きの入ったやつ!」
メニューに載ったその写真を見て私は衝動的に叫んでいた。
ケンは私の勢いに気圧されたのか、半ば呆れたように言う。
「やれやれ、後でそれも説明しようと思ったが気の早い奴だな」
そう言うとケンはさっきのお姉さんを呼んでサンドウィッチを注文する。
……
……………。
「ごちそうさまでした」
「満足したかい?」
正直まだまだ胃に余裕はあったが、小腹が満たされた私はうんと頷いた。
「まぁ、もうちょっと塩味効いてた方が好みやけどな 結構美味しかった」
「食い意地の張った奴やな…てか、その様子だと少しは元気出てきたみたいだな」
「元気なかった?まぁ歩き疲れてお腹すいてたからそらしゃーないわ」
「なんか…そんな幸せそうに食べるやつ久々に見たわ」
「幸せやもん」
溜息をつきながら失笑するケンを横目に、私は口の端についたマヨネーズを
料理とともに用意された紙ナプキンで
「さて、次は…
突如、ケンの言葉を遮るように
怒鳴りつけるドスのきいた男の声が辺りに響いた。
「おい、これは一体どういう事だ!説明してくれ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます