Chapter13:Uncompromising Mouse
容赦なき粛清(前編)
千載一遇の
街の様子を見ながら、私はそう感じていた。
今、この街で起こっている
クヴァトの
この混乱に乗じて、我々が、
世間の連中は我々のことを
本来、この地に存在していたのは他国の追随を許さぬ、強い国家であった。
それが今、
この過ちを、誰かが正さねばならない。
犯罪者達が支配するこの街にも、その現状に不満を持つ者は少なくない。
彼らは
だが今こそ。
今こそ我々、
「ジェイク、準備はできたぜ」
同志ナタナエルが斥候から帰って来た。
どうやら良い知らせを持ってきてくれたらしい。
「明朝、クヴァトの顧問、テヴューが遂に姿を現すんだ。
「ああ、喜ばしいことだ。だがナタナエル、御託は良い。まずは状況報告だ」
「そうだったな、いけねえ」
ナタナエルは自分を恥じるように鼻先を擦ると、咳払いをしてから言葉を続けた。
「顧問のテヴューが現れるのは、
「何かってのは?」
「そこまではわからなかった。だが、テヴューが現れるってのは、
「よくやったナタナエル。後は私に任せたまえ。
私はナタナエルを下がらせ、持ち場に戻らせた。
走るナタナエルを見ながら、彼の言っていた言葉を思い出した。
──耐え忍ぶ日々を送って来た俺たちの活動が、遂に報われる日が来たんだ!
正にその通り。何年か前に、同志達が街を浄化の為、助護センターという施設を占拠したことがあったが、それはその場に居合わせた、人殺しも厭わぬイカれた犯罪者のために失敗した。本当ならば、あれを足掛かりに我々の存在を世間に知らしめることで更なる同志を集い、この街から世界を変えていけることだってできたのだ。
あれから数年。我々は辛酸を舐めてきた。
街を犯罪達から奪えるようなこれという機会もなかったが、此度こそ我々の勝利、我々の時代だ。
私は早速、
ナタナエル達同志達が集めた者も含めれば百人を超える大人数だ。
テヴューを亡き者とし、クヴァトを滅ぼす。
そして我々の時代が始まるのだ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます