偉い人からの連絡だが…
あの女たちがこの家から離れた後、俺たちは薫ちゃんママの家でお茶を飲んでゆったりしている。テレビによるとこの近くにはおらず、通り過ぎたようだ。
だが、残念なことがある。それは俺の家だ。
俺の家はこの家から見ることが出来、窓と扉、家の中がぐちゃぐちゃになっていた。
「…ふぅ…あの家を戻すのは大変だな。しかも俺があの家に居るっていう情報もなんでかあったみたいだし」
「そうね。多分、警護人がバラしたんじゃない?それ以外だと誰かつけていた…とか?」
「それは無いですね。私が見ていた限りでは居なかっので、今回の事件は警護人が情報をばらまいた可能性が高いです」
一花がそういうと木乃恵は携帯を取りだし、どこかに連絡する。おそらく上司に連絡するのだろう。俺たちはそれをチラッと見たあと、机の上に置いてある紙袋を見る。
その紙袋は買い物用ではなく、まるで誰かに渡すこと前提のようなものにも見えた。
「この紙袋、普通じゃ手に入らないよね?買い物とかした時に入れてくれるようなものじゃないよね?」
「そうね。自分で何枚入りのものを買う必要があるし、これを売っているところって限られるわね」
「じゃあそこの防犯カメラとか調べたら良くない?犯人特定できるけど?」
「今はネットで手に入るからそれは難しいんじゃない?店頭に行かなくても買えるし」
「それもそっかぁ…今回は保護会と解放会、警護人の3つかぁ〜」
俺たちはハァ…とため息をつくと、木乃恵は携帯を持ったままこちらへ向かってくる。
「アキラくん、話したい人がいるみたい」
「俺に?」
俺が木乃恵の電話を受け取ると、聞き覚えのある人の声が聞こえる。
「お電話変わりました」
『久しぶり!橘です!』
「橘さん?どうしたんです?」
『お家に侵入されたって聞いてね。家の修理はこっちでやらせてもらうから、こっちで用意したホテルに泊まって欲しい』
「それはありがたいですけど、また警護人がばらまいたらどうします?」
『それはないね。今回は七星全員でホテルの監視になるし、警察も配置する予定ではある』
「何もしない警察を配置されても心配ですが?そのせいで家もぐちゃぐちゃになりましたから、信頼は微塵も出来ませんね。最悪、死ぬところでしたからね?」
『それは言われちゃ何も言えないね。うーん…どうしたものか…』
「なら、あの閉鎖した保育園がいいのでは?閉鎖した場所でなら大丈夫だと思いますが?」
『その方法があったね!そうさせてもらうよ!ただ君だけは別だな。その知恵を借りたい。今回の事件、かなり深刻そうでね』
「いいですが、条件は家族と一緒ってことですね。家族の方も頭は切れますから」
『分かった。じゃあ迎えをよこすからしばらくそこで居てくれ!では!』
ピッと電源を切ると木乃恵に携帯を渡す
「俺たち家族がホテルで、その他の場合はあの閉鎖された保育園に行くらしい。ホテルの理由は知恵を借りたいからというのと他の七星に会えってことだろうね」
俺は大きくため息をつくと、一花たちも同じようにため息をついた。
「なんでこんなに振り回されるんだろうね」
「警護人の偉い人に目をつけられたからよね」
「…あの人たちと会うのは億劫だ…この家族はすごくのんびりできるし楽しい」
「入り浸っちゃうよね〜ほかの男子なんか拒否してるもの」
「木乃恵に関しては専属じゃないからダメじゃない?」
「それはほら、管理者権限で」
「職権乱用しやがってぇ!」
俺たちがキャッキャと騒いでいると薫ちゃんママは少し驚いていた表情している。
「男の子がいる家ってこんなんじゃないよね?」
薫ちゃんママはそういうと俺たちは顔を見合わせる。だが、結論はただ一つだけだ。
「「「「「さぁ?よそはよそだし、うちはうち!」」」」」
「…参考にならない回答ありがとう」
薫ちゃんママは俺たちの回答に目を瞑り、お茶を啜っている。すると、外に車が止まる音が聞こえた。
「はぁ…随分早いお出迎えだこと」
「ゆっくり茶も飲めやしないね」
「これでシャバとおさらば…ね…」
「あの世で待ってるよ…薫ちゃん」
「さぁ!覚悟を決めるよ!」
「行こう!極楽浄土へ!」
「みんな死にに行くみたいな感じ出すのやめて!心に悪いから!」
俺たちの顔はこの時、勇ましかっただろう。
だが、この時の俺たちは知らなかった。
この発言がほぼ正解だったことが…。
俺たちが車に乗せられ、ホテルに着いて早2年。
俺たちはホテルの敷地内で軟禁されていた。
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