短編 木乃恵の日記


○月✕日 晴れ

最近、一花ちゃんが専属警護人になったみたい!

それも男の子!なんて羨ましいの!

いつかその子に会って私が見極めてあげるわ!


○月✕日 曇り

一花の雇用主に会った。あれはヤバいわね。

あんな子が一花のだなんて羨ましい!私だってまだなのに!あんなに仲が良さそうだなんて!

ずるい!いつか私も同じように雇って欲しい!

お金はいっぱいある!いらないから雇って!


○月✕日 晴れ

アキラくんがもう保育園に行くまで成長した。

あの子がしてたことって勉強ばっかよね?

もしかして優良物件?今のうちに唾つけといて…

仲良くなれば…結婚できるんじゃ…


○月✕日 曇り

アキラくんの家に泊まっても何も言われないこと気気づいた。同じ警護人だから、ママさん達はアキラくんを守ってくれると思ってるんだろう。

アキラくんと一花だけは気づいてるけどね!でも、私には関係ない!愛さえあれば関係ないもの!


○月✕日 曇り

アキラくんと添い寝できた!でも、まだ心を許してないみたい。それはちょっと残念。一花にバレずに髪の毛とヨダレはゲット出来た。

これは最高の宝物!今日は徹夜かな!もっと回収しないと!


回収品:髪の毛15本 唾液10ml


○月✕日 雨

今日は保育園の解散させる予定。

私のアキラくんに酷いことをした連中にお仕置しないといけない。上層部の人もやってきたし、自由気ままにやらせてもらう。何人生きてるかな〜


私の仕事が終わった後、園児たちはアキラくんの家に集まった。園児たちはおぉ〜という声を上げていた。そのせいで家は狭いというのに。

アキラくんがおままごとに付き合ってあげていた。頬っぺにキスされたりしていたが、何も思ってないみたいだった。あの子たちはアキラくんを貰いたいんだろう。そんなの許さない。

キスくらいはまだいいわ。それ以上となったら知らない。


やったぁ!アキラくんの手料理!と思ったら、まさかのママさんの手料理だった…次回は作ってもらわないと…さて、今日もアキラくんに添い寝しよ!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ふぅ…」


私はここまで書き終えると日記帳を閉じる。


「…今日もアキラくんと寝れる幸せに感謝しないとね」


私は日記をハンガーにかかったスーツにしまうとアキラくんの居る寝室へと向かう。扉を開けると一花は居らず、1人で眠っているようだった。

私はアキラくんの前に近づくと何やらうなされている声が聞こえた。アキラくんを落ち着かせるために少ししゃがむ。


「大丈夫…私が居るから」


私が昔、母にしてもらっていたお腹を一定のリズムで優しく叩く。すると、険しかった表情がみるみる普段の表情になり、ゆっくりと呼吸し始めた。


「最近、うなされてばかり…どんな夢を見てるのかしら。しばらくは私が見ておきましょう」


私はアキラくんの布団をめくると、その中に入る。アキラくんは体をこちらに向けるとモゾモゾと私の胸の中に収まる。


「まだまだ子供だね〜アキラくん。今はゆっくり休んでね」


私はアキラくんを優しく抱きしめるとゆっくりと目を瞑る。


明日はもっといい日になればいいな…。


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