おままごと パートスリィ!


「君たち…おままごとって何か知ってるかい?」


俺はおままごとがしたいと言った園児たちを集め、床へと座ってもらう。イオちゃんに関して、寝転がりヒーヒー笑い涙を流している。


「これっておままごとじゃないの?」


「これのどこがおままごとなんだ!?」


一花が俺におままごとはこういうものだと言ってきた。だが、俺の想像しているおままごととは違う。


「ドロドロ系に関してはまぁ分かるよ?でも、普通のおままごとってあんなに恐ろしくないぞ!?」


「そう?何も思わなかったけど」


俺はため息をつく。まさか園児たちも一花達もこれが普通みたいだった。


「じゃあ一花と俺の2人で簡単なおままごとしてみるから、それを参考にしてくれない?」


「え?私は?」


「木乃恵はダメ」


「「絶対ダメ」」


「えぇ〜!!私もいいじゃないですか!」


木乃恵はプンプンと怒っていたが、気にせず俺たちはおままごとをする。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「今日のご飯はカレーです」


「おぉ〜いいね〜カレーは好きだ」


「だと思った。じゃあ食べましょう」


「おう。いただきます」


「いただきます」


俺たちはカレーを食べるふりをする。


「「ご馳走様でした」」


「こんな感じだな!」


「「「「「「おもんな!」」」」」」


「俺のイメージはこんな感じだがな。ほのぼのしてる系だ。」


「じゃぁ次は私!」


それを見ていた木乃恵は疎外感を感じていたのだろう。手を挙げた。


「何役する気?」


「犬役」


「ダメに決まってるだろ」


「そんなぁ!!」


「自分の胸に手を置いて考えてごらん?」


木乃恵がおままごとなんてやったら命に関わる。

特に俺のだ!


「じゃあこれで終わりにして、君らのお家に送ります」


「「「「「「えぇ〜」」」」」」


「えぇ〜じゃない!今はもう6時だぞ?夜ご飯の時間だ!早く家帰ってご飯食べて寝るんだ!」


「嫌です!」


「木乃恵はいつも食べてるじゃねぇかよ!しかも、俺の家に勝手に住みやがって!」


「い、いいじゃないですか!迷惑かけてないでしょ!」


「迷惑かけてるじゃねぇかよ!じゃあここで役に立ってもらおうか。御手洗みたらいアキラが命ずる!お前は園児たちを送ったあと家に帰って俺のご飯を食え!」


「あいあいさー!」


「「「「「「やだぁ!!」」」」」」


木乃恵はどこからか取り出したロープを使い、園児たちを捕縛する。園児たちは皆、嫌がっていたが抵抗虚しく家に帰ることとなった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「アキラ、さっきのなんだけどさ」


「何?ご飯のこと?」


「そう。アキラ、料理するの?」


「俺が?木乃恵に?するわけないじゃん。ってのは、俺の前に出されたご飯を食えと言う意味だ」


「じゃあアキラのは?」


「俺は俺のご飯を作るさ」


「…あぁ…ママさんが作ったご飯を木乃恵姉さんが食べて、アキラは自分用のやつを食べるってことね」


「そういうこと。なんて言ってないからな」


「ねぇご飯の時、ちょっとくれない?」


「それは構わない。一花は別にいいしな」


「やったぁ!!もしかしてママとあの二人の分も?」


「俺が作る」


「おぉー!じゃあ言ってくる!」


この後、俺の家族と一花は嬉し涙を流し、木乃恵は悲し涙を流したという。

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