新たな1歩
俺が二度寝から覚めると周りには誰も居なかった。
だが、みんなの集まる部屋が何やら騒がしい。
俺はその部屋へと向かうとみんながテレビの前に釘付けになっていた。
そこには会ったことがあるようなおばちゃんが1人、コーヒーを飲んでゆったりしている。
「本日、とある保育園にて不正が発覚した模様です。その保育園では警護人が園児を取り締まりすることなく、男児が被害に遭うのを遠くから傍観していた模様です。
また園児たちの環境もかなり劣悪であり、滅菌等の作業も怠っていたとの事です。
警護人代表取締役は
『本日、新たな男の子の様子を見に行った際、男児が暴行されているのを見た。そして、表面上は綺麗であったが、中は全く綺麗ではなかった。
よって警護人の数を減らさせていただきます。
今回の犯人に関して、この国のものではなく別の国家が絡んでいた模様でその責任の追求を求め、国際裁判を行う予定です。
今回の件に関して私の責任であります。私は責任を取るために園児たちに新たな環境を提供を考えております。保育園に通うためのお金は全てこちらで負担致します。この度は大変申し訳ございませんでした』
との事です。
今回の事件に関与しているのはおよそ500人と言われ…」
「え…そんなに関与してたのか?」
俺の声に園児や一花たちは反応した。
「「「「「「「「「おはよう!」」」」」」」」」
イオちゃんは俺の方へ走ってくると胸に頭を擦り付ける。子供に懐かれるのは悪くない。
だが、なぜ他の子たちは俺の事を睨むんだ?
「おはよう…で、えっと…貴方様はいったい…」
俺はコーヒーを飲んでゆっくりしているおばちゃんに目線をやる。
その人はガハハと大きな声で笑った。
「いや〜すまないね!お邪魔してるよ!私は警護人代表取締役こと
俺はなんでそんな人がここにいるのか不思議だった。
「なんでここに居るんです?」
「ん〜この子達を運んだから?」
「理由になってないよ…」
「あはははは!さすが一花くんの専属だな!一花君に似ているよ!仲がいいんだな!」
一花はすみませんと謝っているが、その顔は真っ赤になっている。全く誰のせいだよ!あっ俺か!?
「いや〜本当は今後のことを話に来たんだよね!保育園をつくろうとおもってさ!そこで君たち、トップクラスに居た園児の話を参考にしようかとここにいる訳さ!」
橘さんはコーヒーを一気に飲むと俺にメモを渡してきた。
「『保育園、設立でして欲しいこと』?」
「そうそう。女の子の意見は別にいくらでも聞けるんだけどね。男の子の意見はなかなか聞けないんだよ。今回の保育園に居た子たちはみんな会いたくないって拒否られてね。まぁ仕方ないさ!そこで君に白羽の矢が立ったってことさ!」
「そういう事ですか…では、警護人は絶対ですね。あと監視役と監視補佐役、防犯カメラ、園児たち全員で交流できる場所とかですかね?」
「園児たち全員で交流ってどういうことだい?」
「簡単にいえば、みんなで遊ぶ場所ですね。他の子達とも遊んでみたいですし」
「なるほどね。ボール遊びとか隠れんぼ、鬼ごっことか同じメンバーだと退屈にもなるしね。いいと思うさ」
「あとは勉強できる環境を作って欲しいです。一人一人賢さは別として、園児たちは何かを生み出す力はありますから何かを考えてもらうのもいいかと思います」
俺はメモを返しながら、答える。
それを見た橘さんは俺に疑いの目を向けてきた。
「君…本当に園児かい?まるで君は園児では無いみたいな感じの話し方だね。君は大人のようにも感じるな」
「さぁ?精神的に発達しているからですかね?自分もまだ園児の感じが無いんです」
「そうかい…もし何かあったら助けてくれないか?君の考えはなかなか面白い」
「それは別に構いませんが、急に来られるのは困ります」
「まぁ事前に連絡はさせてもらうさ!では!ここで失礼するよ」
橘さんはそれだけを聞くと外へと出ていった。
ほんとにそれだけ聞きに来たのか?トップはあんな感じで大丈夫なのか?
「なんなんだあの人は…てか、なんでみんなここに居るの?」
「「「「「「あの人に連れてこられたから!」」」」」」
「さっきの話はガチなんかい」
俺は素でツッコミを入れていた。
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