作戦会議 ラストォ!

俺たちはご飯を食べ終わると、お菓子とジュースを食卓に並べ会議を始める。すると、ママが咳払いをすると裁判でも行うかのように話し始めた。


「では、これより保育園のための作戦会議を開始します。進行はママがさせていただきます」


「「「「「よろしくお願いします」」」」」


俺たちはママの言葉と同時に小さくお辞儀をする。


「まずは保育園に行く当事者ことアキラさんの意見です」


ママは俺の方へ目を向けてきた。俺はそれに頷き、立ち上がる。


「では、失礼して。私ことアキラは保育園に一花と木乃恵を連れていこうと思っております」


「ママ、意見がございます」


「どうぞ、対抗勢力である美衣みいさん」


「私は木乃恵さんは良くないと考えます」


「その理由を述べてください」


「木乃恵さんはアキラのことをいつも襲おうとしております。それではより危なくなるのではと思います」


この言葉に反応した俺はチラッと木乃恵の方を見ると顔を逸らしていた。おい…俺を襲うつもりなのか?


「アキラさん、反論を」


「はい。まず木乃恵は七星の中でもいちばん強いこでございます。戦力は充分かと思います。次に木乃恵は俺の方をよく見ております。そのため、何かあった時に対応してくれると思っております。また一花を連れていくので暴走した時は対応出来るかと

思います」


美衣みいさん、どうですか?」


美衣みいの方を見ると反論することが出来ないのか食いしばっていた。

木乃恵が保育園に行くのがそんなに嫌なのか?


「では、一花さん。あなたはどうでしょうか?」


「はい。私もアキラさんと同じく連れていった方がいいと思います。私一人では対処の難しい園児がおります。そうなった時に2人体制であればより安心だと思います」


「そうですそうです!私こと木乃恵も行きます!」


「アキラを襲おうとした被告人であるあなたは黙っててください。発言権などありません」


「そ、そんなぁ!」


木乃恵はガックリとうなだれる。

これ、裁判なのか?作戦会議じゃないよな?この感じは。


「反対派の意見は…なさそうですね。

では、判決といきましょう。被告人である木乃恵の判決は保育園への同行並びにアキラさんの保護・観察。もしなにかした場合は3日間の監禁とします」


「罪重っ!」


「この者は前科2犯を犯しており、万死に値します。ですが、今回は仕方ないとみなしての判決です」


「裁判長…ありがとうございます!」


「あなたに発言権はありません」


「これもダメ!?」


もう裁判になってるじゃん。会議裁判じゃん。


「では、これにて閉廷!」


「「「「はっ!」」」」


俺たちは一斉に立ち上がり、部屋から出ていく。

1人取り残された木乃恵は俺たちのことをこう思ったそうだ。


変わり者だな と


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