作戦会議 パートツー!


木乃恵が起きるまでの間、なにかいいものはないかと俺と一花はテレビゲームをすることにした。


「じゃあゲームから学ぼう!」

「おぉ〜!それはいいかもな!で?ジャンルは?」

「これにしようと思う」


今回のジャンルは格ゲーだ。保育園での対処法を何か得られるものはないかと思いこれを選択した。


このゲームでは同じキャラを選択することが出来ない仕様となっており、キャラは一人 2人まで選択できる。1人は攻撃役、1人はサポート役となる。

この攻撃役とサポート役の組み合わせによってキャラが強くなったり弱くなったりするのだ。


例えば一人の女のキャラがいる。

そのキャラはシスコンで妹がいなければ攻撃も何も出来ない。サポート役で妹を選択することでようやく攻撃できるようになる。


こういった癖のあるゲームを好む人には刺さるゲームだが、残念なことにクソゲーとして認定されてしまった。


なぜこのゲームを選んだか、それはキャラが濃いかつ技だけは綺麗なのだ。


「どれくらいであの人は起きるんだろうか…あっ俺このキャラ〜」


「あっ!私が狙ってたキャラ!ずるいじゃん!」


「関係ないし〜!このキャラ以外だと何も得るものないし〜!」


俺が今回選んだキャラはドSの男キャラだ。こいつは1人でじゃないと戦えないが、かなり強い。いつもは使わないが、ここから女性をどうするのか学べそうだ。


「くっそ〜!じゃあ〜私はこれで!」


一花が選んだキャラはドMの女キャラだ。こいつもひとりじゃないと戦えないが、耐久力が異常に高くてかなり辛い。


「これは…すごい戦いになりそうだな」


「しばらく放置して観察してみる?」


「そうするか」


俺たちはステージを選択し、ロード画面が流れる。

それが終わるとキャラクターたちは歩いて登場した。


「へぇ〜お前が相手か…」

「ご、ご主人さまは…?」


ラウンドワンファイ!という音ともに俺たちはコントローラーから手放す。なぜ手放すか?

それはこのゲームの最大のポイントは放置するとキャラが勝手に戦うというものだ。

しかも、ちょっとだけ特別な演出があるのだ。この演習から俺たちは学ぼうと思ったのだ。


「これの演出ってどんな感じ?」

「見たことないから知らないな」

「だよなぁ…あっ…来たっぽいぞ?」


俺たちが喋っている間にキャラが近づき攻撃し合う。2人が選んだキャラはすごく笑顔で戦っていた。男は鞭で攻撃し、女は馬になって攻撃していた。


「ほぉらぁ!これがいいんだろ!」

「ありがとうございます!ありがとうございます!」


なんだろう。いけないものを見ているような感じがしてきた。ふと一花の方を見るとこちらの方を見ていた。やはりおかしいのだろう。


「もっとだ!もっとご褒美をあげよう!」

「ありがとうございます!」


男のキャラはどこから取りだしのか分からないロウソクに火をつけ、女に垂らす。女はその熱さに喜んでいるのか、地面に伏せたまま動かない。


「これって…ダメじゃね?」

「これは…できない…」


どうしようかと思っていると、男はタオルを取りだし彼女の体を拭き始めた。女はその行いに驚愕したような顔をしていた。


「…お前は俺を満足出来そうなやつだ…そばにいてくれないか?」


「…ありがとう…ございまず…ごじゅじんざまぁ!」


男と女の顔が近づく。それはまるでキスシーンのように見えた。俺たちは即座にテレビとゲーム機の電源を落とした。


「何だこのクソ格ゲーはよぉ!放置したらちゃんと戦えぇ!!何だこの終わり方は!」


「最後は気まずいエンドだったな…もしかして、他のキャラもこんな感じ?嘘でしょ?」


「一花、これを現実でやるとなったら、どうだと思う?」


一花は少し考え、顔を赤くする。


「多分このエンドになると思うぞ?

なんなら、あの子たちなら

『私に傷つけた責任を取って?』とかで婚約させられると思う。多分、喜んでするし何なら襲わせようとする…私もするかも」


「ダメじゃん…やっぱ一花に来てもらうしかないよな?…個人武器なんて喜ばせるだけかもだし…あれ?なんか変なこと言った?」


「言ってない!もしあの子たちがドMに開花なんてしたら…」


「それは考えないでおこう。第二の作戦失敗!もう一花を連れてくでいいと思うんだがなぁ〜」


「なんで姉さんは渋ってるのか…もしかして自分が行きたいとか?」


「じゃあ一緒にってことを提案しよう」


俺たちは起きてから一緒に行くという話をすることを決め、普通にゲームすることにした。

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