白いスーツの女性登場!


「きみが一花の…へ〜…噂には聞いてたけど、2歳とは思えない言葉遣いだね。まるで《前世の記憶》でも持っているみたいだね!」


白いスーツの女は顎を触りながら、こちらに近づいてくる。女が1歩1歩近づいてくると、先程までのゲームのけたたましい音が一切聞こえなくなった。そんな感じがした。


俺は何故かこの女が近づいて来るのが本能的にまずいと思ったのか、一歩後退る。一花も同様だった。

そんな俺たちを見て、女は笑った。


「へぇ〜…面白い子。さすが一花が見込んだ子だね。私の気配に気づくんだ。へ〜!いいねぇ!いい目を持ってる!申し遅れました。私、七星が1人、獄上ごくじょう 木乃恵このえと申します。まぁ簡単に言うと七星の統括をさせていただいてます。年齢は25歳!未婚で専属警護人は誰もいないよ〜?身長は171cm!上から…あ〜これはまた成長してからで!よろしく〜!」


獄上ごくじょう 木乃恵このえはそういうと俺に向かってお辞儀をした。その瞬間、ゲーム機の音が聞こえ始めた。この人は怒らせたらまずい!

てか、最後のやつ要らなくない?一花は美人系って感じだけど、この人は可愛い系だな。

俺は一息つくと自己紹介を始めた。


「初めまして獄上ごくじょうさん、私は御手洗みたらい アキラと申します。一花さんを専属警護人として雇わせてもらってます。今後ともよろしくお願いします」


俺は一花の後ろで静かにお辞儀をすると、獄上ごくじょうさんは驚いていた。


「はぁ〜これはすごい子だわ。こんな子初めてかも!あっ!私は木乃恵このえって呼んでね!今日来たのは君に用があるんだ。敬語は不要だよ?」


「では、遠慮なく。木乃恵このえはどうやって俺たちがここにいるって気づいたんだ?」


「その答えはその七星のバッジなんだよ」


木乃恵このえは自分のバッジを取り、こちらに投げてくる。俺はバッジをよく見るが、特に変哲もない。普通のバッジにしか見えない。


「それにはGPSが埋め込んであるんだよね〜だから、どこにいてもわかるっていう万能なやつだよ!欲しい?」


「そんな簡単に言っちゃダメでしょ…これって大事なやつじゃないの?」


「いいのいいの!それに一花から七星のこと聞いてないでしょ?」


「そうだ…教えてくれないんだ。そういうものなんだって理解してた」


木乃恵は一花の方を見ると、子供を叱るような顔をしていた。


「一花〜?七星のことをちゃんと説明しなさいって言ったよね〜?」


「だって…言いづらいんだもの」


一花いちかはプイッと顔を背けた。それを見た木乃恵このえはため息をついていた。


「はぁ〜…一花?将来のことを考えて、専属警護人になったんでしょ?説明してなきゃなんの意味もないじゃない」


「うぐっ…ごもっともで…」


「説明するのにこんな場所は聞こえづらいね!場所を変えるよ〜?貸切にしてるからご飯屋さんに行こう!何食べよ〜♪」


さっきの雰囲気から考えられないほど陽気な木乃恵。それを見た俺はこの人のことよく分からないなと思った。

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