ゲームセンターへ行くぞ!
俺は怒られるのは全然構わない。ただここはショッピングセンター前だ。俺は早く行きたい。それなのに一花は下ろそうともせず、説教してくる。そろそろ限界だ。言い返してやる。
「だいたいお前いつも私のことをからかって…乙女の純情と言うものをだな…」
「ほう?この俺が?一花をからかっている?そんなわけないじゃないか!遊んでいるんだ!反応が面白いから!」
「それをからかっていると言うんだ!私に遠慮は無いのか!?」
「パジャマ姿でゴロゴロせんべい食ってるやつに言われたかねぇ!」
「なっ!?それは外で言っちゃダメだろ!?アキラのバカ!」
「何だと!?」
「何なのよ!?」
俺たちが一触即発な雰囲気になっていると1人の警備員が近づいてきた。
「あの〜
「「え?」」
警備員の声がけで俺たちは周りを見る。
周りにはすごい数の女性がおり、全員が携帯をこちらに向けて動画を撮っているかのようだった。
こんなことを外でやっていたのかと反省した俺たちは何やら恥ずかしい気持ちになり、喧嘩は起こらなかった。その代わり、居た堪れない気持ちになった。
「さ、さぁ!早く行こ!」
「あ、あぁ!そうだな!ショッピングセンターを巡るんだったな!」
俺たちは早くこの場から抜けようと協力して女性の合間を縫っていく。
「あ、あの!その前にお話を…」
警備員の方からそんな声が聞こえたが、一花は足を止めない。
「とにかく中へ逃げよう!そうすればなんとかなるだろ!」
「その考えには賛同だ!じゃあゲーセンを目指そうか!」
「よし!じゃあそこをめざしてくれ!突撃!一花号!俺はしがみついておくぜ!」
「またお前は…」
俺たちは急ぎながらも適当に話し、その場を離れた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あの…一花さんや?」
「な、なんだ?アキラ?」
「ビビってません?体震えてますよ?」
「そ、そんなわけないだろ!」
「画面の心拍数、140とかなってますよ?」
ゲーセンに辿り着いた俺たちだったが、その後を多くの女性が付いてきていた。そこで何か隠れれるスペースはないかと入ったところはゾンビゲームだった。機器に設置されている銃を使って倒す簡単なゲームなんだが、このゲームには特殊機能がある。
それは心拍数計測モードというどれだけビビっていたのか計測するものだった。俺は前世でこういうゾンビゲームが好きだった。ただこの体が2歳、心拍数はもともと高い。
だが、一花はどうか?年齢は教えてくれないが、20代だろう。こんなゲームごときにビビらないだろうと思っていたが、心拍数が140と高い。
走って心拍数が上がったと思っていたが、俺を座らせてから一向に手を離す気配がない。
「じゃあこのゲームしよっかなぁ〜ビビってないんだよなぁ〜?」
「そ、そうだ!ビビってない!大丈夫だ!さぁ…やるぞぉ〜!」
一花は震えながら100円を投入している。
ダメダメじゃねぇか!
「じゃあ俺の分も…」
「それはダメだ!何かあった時に代わって…いや、お金の無駄だから…!」
「ふーん…そういうこと言うんだ…ふーん」
「じゃ、じゃあ始めるぞ!」
ゾンビゲームが開始されると、窓ガラスが割れる音が聞こえゾンビが入ってきた。それを撃ち殺さないといけないのに何故か撃とうとしない。
ふと一花の方を見てみると、ビックリして硬直していた。いや、ゲームは?
「もぉ〜代わりにするぞ?」
「待って!やめて!」
一花は俺を力強く抱きしめてきた。いい匂いがするが、それよりも…
「痛い!頭と背骨が!!」
「もう無理…こんなゲーム…怖い…」
ゲームオーバーになるまで、一花が離してくれず、俺の背骨と頭を犠牲になった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
俺たちはゾンビゲームから出ると先程まで付いてきていた女性は誰もいない。それどころか人ひとりも居なくなっていた。何かおかしい…。
「一花、変じゃない?」
「あぁ…これはおかしい。さっきまで人がいたはずだが、今はいない。アキラ、私の後ろに…」
周りを警戒するように一花は俺を後ろに隠す。だが、その警戒は一瞬で解かれることとなる。
「やっと見つけた〜!一花!何かあったみたいだから来てみたよ〜!電話ぶり〜!ゆっくり買い物できるように貸切にしたよ〜!」
白いスーツを来た
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