ショッピングセンターに到着!だが…
俺は女性たちと写真を撮ったあと、ショッピングセンターに向かう。だが、一花に抱っこされながら説教されていた。
「アキラ…前世の感覚で女性と接したら大変な目にあうぞ?現に…後ろを見ろ」
一花に言われ、後ろを振り返る。すると、写真を撮った女性が後ろについてきていた。
「え?写真撮ったらあんな感じになるのか?そんなに男性に会わないのか?」
俺の発言に一花はため息をつく。
「男性に会えることは滅多にない。1:25の男女比であることは知ってるな?だから、会社でも女性しかいないんだ」
「じゃあどこで女性は出会ってるんだ?」
「それは…警護人になるとか婚活サイトで見つけるとか…あとは風俗的な感じになるな。もう男性と会いたくない人は同性同士で恋愛するケースもあるらしいぞ?」
「ほほぉ…百合百合だね〜!てか、男性ってどんな感じの性格してるの?」
「そうだな。多分、ショッピングセンターにいるだろうから楽しみにしとくといいさ。悪い意味で」
「つまり俺みたいに女性と接するのを喜ぶヤツは居ないってことか!?」
「…楽しみにしとけばいいさ。さて、あの女を追っ払うか」
「おい!教えてくれよぉ!」
一花は曲がり角で待ち伏せし、あの女性に対し説教をしていた。あの女性は少し泣きそうな顔をして歩いていった。なんか罪悪感がすごい…そんな顔をしているのがバレたのか、気にした方が負けだと答えてくれた。こんなことが日常的に起こるとなると少し病みそうになるな。
外出先で俺の精神を安定させる方法としては前世の感覚で普通に過ごすことだ。今は一花がいることで大丈夫な場面が多い。しかし、最近調べた結果、男子にも学校に行く義務がある。小、中学生は必須で高校からは自由になる。前世の学校と同じだ。そうなると、学校にいる間は1人で対処しなければならない場面が出てくる。
そんな時にあんな女の子が泣いてる姿は見たくない。俺は抱っこされながら、どうしようかと考えていた。
「もう間もなく着くぞ?男子を見るせっかくの機会だ。目に焼き付けるといい」
「なんか嫌な予感がする…」
曲がり角を曲がると、そこは大きなショッピングセンターがあった。二階建てだが、その一部がおかしい。それは手すりは異常なまでに頑丈に作られているということだ。
それはまるで鉄格子のようにも見える。転落防止用だろうと理解し周りを見渡すと、女性たちがある一点を見つめていることに気づいた。かなりの人数がそれを見ていた。
そこにはショッピングセンターには広告があった。それを見ると男の格好をした女性が多い。あれ?こういう時って男性が多いんじゃないのか?
「これがショッピングセンター?俺の想像だと男性がメインの広告が多いんじゃないのか?」
「それがないのは男性が嫌がるんだ。写真なんて撮られたくないってな」
「えぇ…そんなワガママな」
「アキラだけだな。写真撮られるのに抵抗がないのはな。それ以外のやつは…とあれだな。あれが男だ。目に焼き付けておくといい」
そこには複数人の女性に自分が買ったものであろうものを持たせていた男がいた。その男はかなり太っており、歩くのにも一苦労そうだ。息が上がっているようにも見える。
あぁ周りの人は広告を見ている訳ではなく、あの男を見ていたのか。警護人も周りの女性も苦虫を噛み潰したような顔をしているのはあの男のせいだろう。
「警護人はあの男の周りの奴らだ。アイツはハズレだ」
「当たりハズレがあるのか?」
「残念ながらな。アキラみたいなやつは大当たり。マシなやつは当たり。パシリみたいに使うやつはハズレだ。私たち
あの子たちも大変だな…というような表情をしていた。そうか、俺たち男性は貴重な存在だ。もし優しいやつだけに集まってしまえば、それ以外のやつはみんな役立たずということになる。そうなってしまえば不公平になり、男同士で争いが始まってしまうかもしれない。それがないようにと警護人は選べないのだろう。俺は俯いてしまった。
「そうなのか…警護人の人を労ってやらないといけないな…」
「その考えになるのはアキラだけなんだ。あれを見ろ」
一花が腕を上げたので、なんだろうと思い上を見上げる。すると、男が警護人に対して罵声をあびせているところだった。
「お前ら、ノロイな!さっさと動けよ女共が!」
俺はそれを見たことでフツフツと怒りが湧き上がってきた。そして、男は憂さ晴らしと言わんばかりにその女性の顔を殴ろうと振りかぶった。
「一花、あいつをどうにか出来ないか?」
「任せろ。
一花は息を思い切り吸う。大声を出すつもりだろう。俺は一花に片耳を押し付け、片耳を自分の手で塞ぐ。うぐっという声が聞こえたが、気のせいだろう。
「そこの男!!今のは許されん行為だ!!警護人及び警備員はその男を捕縛せよ!私は七星の
すると、男は逃げようとした。だが、警護人たちは持っていた袋を落とし、逃げようとした男を制圧する。警備員は落とした袋を回収しつつどこかに連絡していた。男は声をはりあげて威嚇していた。
「離せ!この僕に触れるな!」
だが、それは警護人の逆鱗に触れ、より痛そうな関節技をキメていた。
あれはくらいたくないな。
周りの女性は一花の言葉に反応し、こちらを振り向く。そして、俺の方を見て驚いたような顔をしていた。一花は2歳の俺に雇われていると知って驚いたんだろ〜。
「早く離れろ!周りが見てる!」
一花は顔を真っ赤にして俺に言ってきた。現状、俺が一花に抱きついているように見えるだろう。その事を言っているようだ。からかいってやろう。
「じゃあもっとくっつこうかな〜」
「バカ言うな!そんなこと言うなら、家に帰るぞ!」
「それは勘弁してくれ!」
俺は仕方なく離れる。一花は離れろと言ったのに少し残念な表情をしていた。
そのやりとりを見た周りの女性が何故かこちらを睨んでいるように見えた。
「外ではあまりくっつかないように、それと外で私をからかうな!まわりの状況を見ろ!」
俺は着いてそうそう怒られる羽目になった。
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