いざ家に帰還!
俺は目が覚めると、知らない場所にいた。はて?ここはどこかで見たことあるような
「おっ?目が覚めたみたいだな。30分ぐらい寝てたぞ?」
「ん?あぁ…俺は寝てたのか…お姉ちゃん達に言わないと…」
「そいつらならそこで寝てるぞ?」
一花は顎でクイッとする。その方向を見ると壁に2人が寄り添って寝ていた。みんなお疲れだったんだな。
「運んでくれてありがとう。お姉ちゃんたちの代わりに礼を言う」
「気にするな。そろそろ出発しないと少しまずい。2人は私が運ぶから、アキラは傍に付いてきてくれ。念の為に、このスーツの裾を掴んでおいてくれ」
俺はベッドから降りると白いスーツの裾を摘む。それを見た一花はお姉ちゃんたちの方に歩き出し、2人を俵のごとく持ち上げた。
「おぉ〜すごいな!」
「そうか?警護人としては普通だがな。なんなら軽いくらいだ。とりあえず歩きながら話そう」
え?一花ってもしかして筋肉ムキムキ?腕相撲とかしたら、腕だけ服破れるとかないよな?
なっ…なんだあの腕は…!?一瞬岩のようなものに見えたぞ…!? 的な感じにならないよな?
「実は10分前に男性保護会の連中がアキラの居場所を把握したらしく、こっちに向かっているみたいだ。車は待たせてあるし、すぐに出発できるようにしてある。車は行きとは別のものを用意してあるし、横になれるように椅子は倒してある。まだ疲れは取れてないだろうから少しは寝ておけ」
「ゆ、優秀すぎる!?すげぇよ!一花!俺、惚れそうだよ!ほんとありがとう!」
「ふっ…惚れろ惚れろ〜!この
一花は歩みは止めないが、喜んでいることは丸分かりであった。何故なら、声が高くなっていたからだ。
「てか、一花に挑んだ人って何人?2年の間で」
「ん?この2年で?ほぼ毎日だったし、800人は超えてると思うな。最年長は58で最年少はアキラだ。2歳は見たこと無かったな」
「そうか…あの事件から…その大丈夫なのか?精神的には」
一花は俺の方を見て、優しい目をするがその中に恐怖の感情が見える。やはりまだダメなんだな。
「まだまだ怖いところはあるぞ?あのゴミの年齢ぐらいの奴らにはな。ただアキラみたいなやつは平気だぞ?もしゴミみたいな奴らにあったら、手加減できるか心配だな」
こ、怖ぇ…つまりはそれまでの奴らは全員手加減していたってことだろ?一花の戦闘力はいくつなんだ?53万とか言わないよな?
「よし、着いたぞ!アキラ!2人の事頼んだ!すぐに出発する!」
「わ、分かった!任せろ!」
一花はシートを倒してあった後部座席に2人を置いて、車の周りを1周回る。その間に俺は後部座席を閉めて、設置されていたチャイルドシートのシートベルトをつける。念の為にお姉ちゃん達がシートから落ちないように2人の手を繋ぐ。助手席には警護人が乗っており、運転席に一花が乗った。
「一花って年は?」
「17だ。安心しろ。免許証はある。
一花は俺に免許を見せてきた。それなら大丈夫か。けど、さっきから俺を逃がすまいとチャイルドシートに近づいて来ている2人居るんだが?絶対起きてるだろ?
「じゃあいくぞ!」
「待って!?タイヤキュルキュルは知らないって!あれって現実ではなー!!!」
その時、俺は誓った。二度と一花の運転する車に乗らないと。
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