第174話 世界大会の地で

「OH! 可憐なサムライガールだ。私が勝ったら、お付き合いしてくだサーイ!」


「ありがとうございます。しかし私には心に決めた人がいるのです」


 数か月後、世界大会の舞台で、美琴は大活躍していた。

 世界大会の決勝戦は集団バトルロイヤルで、勝ち残った者が、優勝になる。


 ひとり、またひとりと減っていくライバルたち。

 世界最高峰の魔法能力者を相手にしても、美琴の剣技には一点の曇りもない。


 あらゆる敵を切り伏せて、最後に勝ち残ったアメリカ―ンな男性でさえ、美琴は容赦なく首切りの一閃で勝ち切った。


「負けるなー、がんばれー、美琴ー」


 という、世界大会の途中で敗退した僕のあたたかい声援を受け取って。

 そして美琴は見事! ワールドチャンピオンに輝いたのだ!


 名実ともに、世界最強の魔法剣士ってことだな。

 これで彼女の夢はかなったわけだ。


 夢はかなった、しかしこの道に終わりはない。

 命が続くかぎり、人生は続いていく。


 なーんて、僕が似合いもしないムードでしんみりしていると……


「祭くん、ではさっそく参りましょう」


「へ? どこに?」


 凱旋帰国かなあ、と思っていると……


「お父さんとお母さんへ、あいさつに、です!」


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