第175話 学校にて

「おかえり二人とも! 美琴さん、世界大会優勝おめでとう!」


 帰国して、学園にもどってきた僕たちを出迎えてくれたのは、ギンガ先輩のあたたかい笑顔と教員生徒たちからの称賛の嵐だった。

 そりゃまあ、全国大会どころか世界大会ですから。


 特に美琴は僕とは違って、ワールドチャンピオンですから、母校の歴史に残りますよ。

 僕はおもしろく思って、ギンガ先輩に言う。


「これで来年の同好会の入会希望者が増えますね」


「増えすぎても困るんだけどね、とほほ……」


「贅沢な悩みですなー」


「まったくだよ、ありがとう、祭くん。キミは世話になった」


 ギンガ先輩が満面の笑顔で握手を求める。

 僕もそれをガッチリと受けて、笑顔を返した。


 男と男って、こういうとき気楽でいいよな。ははは。

 美琴も「男の友情ですね。尊いです」とか言ってくれた。

 また野球やりましょうよ。

 と僕が提案すると、ギンガ先輩は「もう部活動対抗戦はこりごりだよ……」と遠い目をして笑っていた。


「私は茶道がやりたいですね! おもしろかったので!」


「まずいもう一杯はもう二度としないでくれ、僕が恥ずかしい」


 そしてまた、美琴はにこにこして言うのだ。


「祭くん、ではさっそく、お父さんとお母さんにあいさつに行きましょう!」


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