第143話 天使VSサムライガール
試合開始!
美琴が静かな闘志とともに刀を抜き放ち、ガブリエルが白い両翼を広げる。
身体強化の魔法で脚力を強化したのだろうか。
美琴はただ一動の踏み込みで、ガブリエルとの距離を詰める。
背中の翼も、空を飛ぶ前ならば、地上ではただ重いだけの足枷だ。
必然、ガブリエルも剣を抜き放って、美琴の斬撃に応じる。
研ぎ澄まされた刀と、うつくしい装飾剣が激突!
硬質な金属音が連鎖して、フットワークを駆使した地上戦が繰り広げられる。
魔法と魔法のド派手なぶつかり合いとはまた違う。
実力伯仲の緊迫した接近戦に、会場は息をのみ、盛り上がる。
刃を噛み合わせて押し合いになったとき、ガブリエルが微笑む。
「なるほど、地を這う戦いが、あなたの得意分野なのですね」
「手加減は無用です。その翼は飾りですか?」
「口の減らないことで……」
ガブリエルが美琴を払いのけて、その反動で後ろへと“飛ぶ”。
両翼を羽ばたかせて、ガブリエルは空中へと飛び出した。
天に立つ凛々しく美しいすがたは天使様の面目躍如といったところか。
「さて美琴さん、人間の感覚というのは、訓練しない限り、あまり上下の組み合わせに強くないというのはご存じですか?」
急転直下、ガブリエルはその翼の優位を使って、美琴を上空から襲撃する!
「上下を組み合わせた立体機動の斬撃。さあ、耐えてごらんなさい」
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