第139話 水のレーザーソード

「銃なんていらねえ! 相手してやるよ! 来やがれオサム!」


 僕は超圧縮された大水量をさらに操作した。

 レーザービームのような直射を頭上に撃ちあげて、僕はそれを――


「こうやって、振り下ろす!」


「っ、レーザービームの次はレーザーソードかよ!?」


「そういうことだ!」


 ロボットアニメとかでたまにやってるじゃん、極太レーザーをそのまんま剣にして敵をぶった切るやつ。あれだよあれ。

 光熱で焼き切るか、水圧で切断するかの違いはあれど、似たようなものだ。

 ははは、僕って意外と真っ向勝負もできるじゃないか!

 自画自賛するようだが、戦っておもしろいのは、僕も男の子ってことなんだろうな。

 というわけで……


「くたばれオサム! 僕の勝ちだ!」


「うるせえ! 俺だって、負けられない理由があるんだ!」


「なんだ? 一応聞いてやろう」


「ガブリエルちゃんの愛が……」


 死ね!

 僕は一切の容赦なく、風の槍を打ち砕いて、オサムを一刀両断した。

 鮮血さえ洗い流す圧倒的な水量でオサムの死体を吹き飛ばして――


「そこまで。勝者、海野祭くん」


 僕は決勝戦へと駒を進めた。

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