第135話 風水激突

 圧縮された水の弾丸は、レーザービームのように突き進み――

 激突!!!!

 大気の障壁とぶつかり、その強度を競い合う。


 水のレーザーも、大気の障壁も互いに一歩もゆずらない。

 跳ね散った極大の水量が、豪雨のようにスタジアムを濡らす。


 圧縮したすべての水量が尽きるまでに大気の障壁を貫かなければ!


「しぶといやつ!」


「へっ、俺は簡単にはやられてやらないぜ!」


「しつこい男は嫌われるぞ?」


「せこい男よりはましさ!」


 人はそれを五十歩百歩とか、どんぐりの背比べと言うけどな……

 僕たちの戦いは、すばらしく拮抗している。

 どちらもレベル9には違いないのだが、同レベル帯でも能力の強度が互角なのだ。


 だが、この勝負……僕がもらった!

 大気の障壁がたわみ、水のレーザーが突き進む。

 狙うは心臓、一撃必殺での決着だ!


 勝利を確信した僕は、自然と笑みこぼれる。

 劣勢に立つオサムの表情が苦悶にゆがむ。

 これ以上、オサムの側にできることは何もない。

 しかし、そんな僕の思い込みは――


「まださ。まだまだ……終われないぜ!」


 オサムの強がりに打ち砕かれる!


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