第134話 真っ向勝負!

「お? やる気になったな! そう来なくちゃ面白くないぜ!」


「ああ、認めるよ。その大気の鎧を撃ち貫くのは、僕も骨が折れそうだ」


「はははっ、矢でも鉄砲でも持って来やがれ! 俺は逃げも隠れも――」


 しないってか?

 僕は右手の親指と人差し指で鉄砲の形を作った。

 ほら、輪ゴムを鉄砲にして飛ばすとき、あの形だ。


 でもって、水量操作!

 オサムが大気を圧縮するならば、僕も極大の水量を圧縮しよう。

 指先に意識を集中して、水の弾丸を作り出す。


「流れるせせらぎの宝石【ターコイズブルー】」


 ひとつではない。矢継ぎ早に、僕は弾丸を作り出す。


「地平線にかすむ揺らぎ【ホリゾンブルー】」


 気分は魔銃使いガンナーだ。

 一発、二発と、僕は水の弾丸を装填していく。


「そして――母なる大海の青【ウルトラマリンブルー】!」


 これで3つ。そのすべてを束ねて、超圧縮した弾丸を抑圧から解放する!


「いくぞ、オサム!」


「受けて立つぜ! 本気の一撃!」」


 撃ち貫く!

 音速をはるかに超える水圧の奔流が、そのとき、スタジアムの地を轟音で揺らした。

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