第129話 どう思う?

「という朝の一幕だったんだが、オサムはどう思う?」


「うらやましすぎて嫉妬で狂い死にそうだぜ……自慢かおまえ」


 運動公園で一休みしているとき。

 オサムに朝の騒動を相談してみると、そんな感想がかえってきた。


「同級生の美琴ちゃんに? 金髪美女のガブリエルちゃんに? 言い寄られて、海野祭争奪戦だと? ふざけやがって!!!!」


「いや、そこまでは言ってない」


「似たようなもんだろ! くっそー、俺がそこにいたら、絶対邪魔してやったのに!」


「おまえも意外と、よこしまな心の持ち主だよなあ……」


「いいか祭。男の友情なんてな、女性関係にかかれば、一瞬で崩壊するんだぜ」


 まあ知ってるけど、知りたくなかった悲しい現実だな。

 もっとも、どんなに今朝の現場に居合わせたいと願っても、早朝の散歩どころか、目覚まし時計を破壊して眠りこけていたらしいオサムには、土台で無理な話だがな。


「ま、過ぎたことを言っても仕方ないか。祭、順当にすすめば俺とおまえで準決勝だな」


「そうだっけ?」


「そうさ、そのときこそは……」


 トーナメント表を思いだす。確かに準決勝の相手はこいつだ。その時こそは?


「男の決着をつけようぜ! ガブリエルちゃんのハートは、俺がいただく!」


 くれてやるよ。と僕は心の底から冷めた気分で思った。

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