第128話 なんですかあの人は!

「まったく無礼な人ですね!」


 美琴がぷんすか怒っていた。

 ちょっと可愛いと思ってしまった僕を誰が責められよう……


「祭くんも、気をつけないとダメですよ!」


「へ? 僕?」


「祭くんは優しいから、誰にでも話をしてあげるんでしょうけど、世の中にはああいう失礼極まりない人がいるんですから、変な人に引っかからないことです! 絶対です!」


「え、ええ……」


 僕はまったく優しくないし、誰にでも話はしないし、失礼極まりない人間からは距離を置くからまったく問題ないんだけどなあ……


 うーん、誰も彼も僕を過大評価している気がする。

 僕は一応レベル9の能力者だし、自分を過小評価するつもりはないけどね。


 みなさん僕のことをわかっていなさすぎじゃないかなあ?

 他人の評価なんてあてにならないものではあるけど、こうまで自己評価と乖離してしまうと、さすがの僕も不安になってくるぜ……


 いっそイメチェンして、真の海野祭を目指してみるか―?

 優しくて誰にでもへだてなく接して、失礼極まりない金髪美女のお誘いに引っかかる!

 毎日がハッピーカーニバルだぜ!


「よし、今日から僕は真のお祭り男だ!」


「なに寝言を言ってるんですか? もう朝ですよ、祭くん」


 うるせー、夢ぐらい見せろ。と、僕はいたたまれない気持ちで思った。

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