第126話 破廉恥です!

「は、破廉恥です! いきなりどうして出会ってすぐにそんな関係になれるんですか!? 見境がなさすぎます! 見損ないましたよ、祭くん!」


「知らんがな……」


「ほんのスキンシップですよ、ねえ祭?」


「知らんがな……」


 ホントに知らんがな。

 こいつら、僕をおもちゃにして遊んでないか? 女子って怖いよー。


「と、冗談はさておき」


 言ってガブリエルが僕を解放してくれた。

 他人にいきなり抱き着いてなにがしたかったんだ、こいつ……


「今の反応でよくわかりました。天川さん、やはりあなたは未熟者です。自分の心ひとつ持て余す者が、未熟でなくてなんなのか」


「え……?」


「私に立場をゆずりなさい。友達として、仲間として、祭を支えるべきは私です」


 美琴は訳が分からない様子で困惑していた。

 僕も同じだが……しかしガブリエルの主張は理解する。


 こいつは、どうしてか僕を自分の仲間にしたがっている。

 そのために僕の後ろ髪を引く美琴の存在が邪魔なんだろう。


 だから、どこまでも高慢な言い方で、ガブリエルは美琴に告げるのだ。


「天川美琴、あなたは、祭にふさわしくない」

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