第125話 私も友達にしてください

「おはようございます! そちらの方は……」


 美琴がガブリエルを見る。

 ガブリエルは少しだけ険しい表情をして……すぐに笑顔をつくった。

 僕はふたりの間に立って、双方に紹介をする。


「ああ、こちらはガブリエルさん。留学生なんだってさ。今回の大会では美琴と準決勝で当たる相手だ」


「そうでしたか! 勝負の日が今から楽しみです。どうなるかはわかりませんが、お互いに悔いなく良い勝負をしましょうね!」


「……なるほど、彼女が祭の言うサムライガールでしたね」


「そうさ。天川美琴あまかわみこと、僕の友達だ」


 仲間とか、友達とか、改めて言うと気恥ずかしいけどね。

 ガブリエルは茶化すことをせずに……


「では祭」


 なぜか、僕の右腕に抱き着いた。え? なんで?


「いきなりで申し訳ないのですが、私もあなたの友達にしてください」


「は?」


「え、ええええええ!? なんでいきなり!? そんな距離が近いんですか!?」


 美琴がびっくりして慌てている。

 うーん、距離が近いのは外国の方だからかな? 状況がよくわからん。


 ガブリエルはニコニコして、おもしろそうに、様子をうかがっている。


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