早朝の出会い

第121話 早起きした朝に

 第一回戦が、順当に終わり、僕らは第二回戦へと勝ち上がった。


 ガブリエルは言わずもがな。

 僕はもちろん、対戦相手を呼吸困難にして勝った。

 美琴は、やや苦戦しながらも、最後には対戦相手の首を斬り飛ばした。

 オサムは、かまいたちの刃で相手を斬り捨てて、勝った。


 翌日、第二回戦がはじまるまでには、すこしだけ時間がある。


 朝の運動公園で、僕はすがすがしく散歩をしていた。

 そこで僕は、意外な人物に出会う。

 金色の髪を風になびかせる、ジャージ姿のガブリエル氏だ。

 ジョギング中かな? 体力づくりの基礎だな。


「おや祭、早起きとは殊勝ですね」


「遠出していると、早起きしたくなるんだよ。なかなか眠れなくてさ」


「ふふっ、あなたは子どものようなことを言うのですね」


 子ども、子どもか。確かに子どもっぽい理屈だな……

 まあ、修学旅行の前に眠れないのと似たような理屈だからな。


「散歩なら、私もご一緒しましょう」


「いいのか? ジョギング中じゃないの?」


「ええ、ちょうどよく、世間話がしたい気分だったのです」


 戦乙女の表情とはまるで違う、優しい笑い方でガブリエルが微笑んだ。

 ガブリエルは、僕のとなりを歩きながら、言う。


「私、サムライガールの試合を見ましたよ」


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