第120話 ガブリエルの評価
「見事な戦いでした」
僕が運動公園で休んでいると、金髪美女のガブリエルさんがやってきた。
呼吸困難にして勝っただけのセコイ試合を見事と言ってくれるのは嫌味かな?
「お父様はよく言っているのです。戦士の勝負に尊敬も譲り合いも必要ではない。泥にまみれて、勝てばよいのだと」
「それはなんとも、実戦的な教えですねえ……」
「あなたの戦いは、実にクレバーです。泥にまみれてはいませんし、誠実の欠片もありませんが、一切の無駄なく相手を処理している」
「そりゃどうも……」褒められてもあんまりうれしくないけどね
「先ほどは失礼しました。私はあなたの戦いを高く評価しますよ」
「ぜひ! そのセリフを有栖川顧問に聞かせてやってくれ!」
「??? 誰ですか? それは?」
誰でもいいよ……縁を切りたい人物ナンバーワンのロクデナシ教員だよ……
僕は苦く笑う。ガブリエルは察してくれた様子で、それ以上の詮索はしなかった。
ガブリエルが微笑み、僕を見る。
「祭、かなうなら、私はあなたとも戦ってみたいですね」
「光栄だけど、あなたと僕が戦えるのは決勝戦だな」
「ではその場所で待っていなさい。羽虫を蹴散らし、すぐに私も参りましょう」
ええ、やれるものなら、どうぞ。と僕はおもしろい気分で笑った。
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