いざ全国大会
第111話 全国大会がはじまる
魔法能力者が集う全国大会の朝がやってきた。
全国各地の地方大会を勝ち抜いた屈指の魔法能力者が集う年に一度の祭典だ。
ここに至れば、レベル8、だとかレベル9の連中がゴロゴロしている。
だからもう、魔法能力のレベルという点で、僕にアドバンテージはない。
「僕のインチキ戦法と水魔法がどこまで通用するか、見ものだな」
「祭くんはすぐにそういうことを言うんですから……真っ向勝負です! 勝つも負けるも、それ以外にはありませんよ!」
美琴はそう言って、僕を励ましてくれる。
全国大会の参加者の中で、美琴は唯一のレベル0だ。
レベル0とはいっても、刀が折れなくなる魔法の転用で身体強化ができるから、実際にはもう少し魔法能力のレベルが上がるのかな?
とはいえ、やはりそんな誤差は戦う者には関係がない。
実際に勝利を勝ち取るためには、当意即妙の戦術と、長期的な視野の戦略眼が必要だ。
戦いの方法は、1対1を繰り返すトーナメント方式。
トーナメント表が発表された時、くしくも僕と美琴の位置は正反対だった。
おもしろい巡り合わせに、僕は笑ってしまう。美琴も好ましく微笑んでいた。
「次に会うのは、決勝戦だな」
「ええ、最高の戦いと最高の私を、お見せすると約束します」
ああ、見せてくれよ。僕はそれを期待している。
あの日見た、美琴の魂の輝きを、僕はもう一度見たいと願う。
最高の場所、最高の舞台で、僕たちは再会を約束して、道分かれた。
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