第110話 ゴミ拾いと合宿を終えて

 かくして僕たちはボランティアを終えて学園に戻ってきた。

 海合宿を終えて帰ってきた僕たちを出迎えてくれたのは……

 なんと、学園長だった!


「うーむ、一回り大きくなりましたな。見違えましたぞ」


 え、大丈夫ですか? 節穴ですか?

 目玉をくりぬいて交換した方がいいんじゃないですかね?


「さすがの手腕ですな有栖川先生、最初はどうなることかと思いましたが、こうも見事に若者たちを導くとは、敏腕とは、あなたのような女史にふさわしい言葉ですぞ」


「ありがとうございます。学園長。全国大会もご期待ください。祭くんと美琴さんなら、必ず結果を出してくれます。私はそう信じていますから」


「おおっ、なんと懐が深い! わが学園の未来は明るいですな、ほっほっほ!」


 学園長と有栖川顧問が、楽しそうに笑い合っている。


 なんだかなあ、こういう大人にはなりたくないなあ、と思う今日この頃だ。

 ギンガ先輩と見合って、以心伝心に笑い合う。


「ギンガ先輩も全国大会は応援してくださいよ」


「もちろん、祭くんも美琴さんも、精一杯、応援させてもらうよ。というか、キミたちが勝ってくれたら、うちの同好会も少しは会員が増えるだろうからさ。とほほ……」


 同好会長の苦悩である。

 有栖川患者にふりまわされる苦労性の先輩には心から同情しますよ……


 かくして日々は過ぎ去り――


 そして、魔法能力者全国大会の朝がやってくる。


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