海とゴミ拾いとお兄さん
第101話 海に行こう
「というわけで、海合宿よ、祭くん」
「なにをほざいていやがる有栖川中二病患者」
次の週末、僕はなぜか海岸沿いの道路を有栖川顧問といっしょに歩いていた。
なぜこんな状況になったのか、僕は理解ができなくて頭を抱える。
「あら、説明したはずよね?」
「忘れました。きれいさっぱりに忘れました」
「実は私、友達から合コンに誘われてしまってね。めんどうくさいから断る口実にと思って同好会の活動を入れたのよ。泊りがけの合宿よ!」
「ほんっっっっとうに!!!! ロクでもねえ女だな! あんた!!!!」
「ええ、仕事がデキる女はつらいわね」
もう好きに言ってくれよ……僕はツッコミ疲れたよ……
がっくりと肩を落とす僕を、ギンガ先輩と美琴が支えてくれる。
同好会を私物化している有栖川顧問が、ノリノリで笑う。
「さあ、祭くん、わかっているわね? 海と言えば――」
「? 泳ぐんだろ、知ってるよ」
「釣りよ! 祭くんには海釣りの楽しさに目覚めてもらうわ!」
「渋いな!?」
やめてよね。中二病患者の考えることは訳が分からないよ。
「おつかれ……」と、ギンガ先輩が虚ろな両目で、半笑っていた。
笑いたいのは、僕の方だよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます