海とゴミ拾いとお兄さん

第101話 海に行こう

「というわけで、海合宿よ、祭くん」


「なにをほざいていやがる有栖川中二病患者」


 次の週末、僕はなぜか海岸沿いの道路を有栖川顧問といっしょに歩いていた。

 なぜこんな状況になったのか、僕は理解ができなくて頭を抱える。


「あら、説明したはずよね?」


「忘れました。きれいさっぱりに忘れました」


「実は私、友達から合コンに誘われてしまってね。めんどうくさいから断る口実にと思って同好会の活動を入れたのよ。泊りがけの合宿よ!」


「ほんっっっっとうに!!!! ロクでもねえ女だな! あんた!!!!」


「ええ、仕事がデキる女はつらいわね」


 もう好きに言ってくれよ……僕はツッコミ疲れたよ……

 がっくりと肩を落とす僕を、ギンガ先輩と美琴が支えてくれる。

 同好会を私物化している有栖川顧問が、ノリノリで笑う。


「さあ、祭くん、わかっているわね? 海と言えば――」


「? 泳ぐんだろ、知ってるよ」


「釣りよ! 祭くんには海釣りの楽しさに目覚めてもらうわ!」


「渋いな!?」


 やめてよね。中二病患者の考えることは訳が分からないよ。

 「おつかれ……」と、ギンガ先輩が虚ろな両目で、半笑っていた。

 笑いたいのは、僕の方だよ。


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