第50話 メンタルチェックの時間だ!
放課後、空き教室に集った僕たち。
ギンガ先輩の紹介でやってきたシンジ先輩は、こんなふうに挨拶をした。
「シンジだ。今日は呼んでくれてありがとう。興味深い話があると聞いた。俺の魔法で良ければ、力になろう。えっと、キミは……」
「あ、はい! 私が
「こちらこそ、俺は心理士になるのが夢でね。催眠魔法とはこれっぽっちも関係ない道だが……今日は俺もキミから勉強させてもらいたいと思う。よろしく頼む」
言って、シンジ先輩は美琴の対面に座った。
僕とギンガ先輩は横合いに座って、ふたりを見守る。
ややあって、シンジ先輩が話を切り出す。
「催眠魔法を使う前に、俺からひとつ聞かせてほしい。いいだろうか?」
「はい、どうぞお願いします」
「キミは誰かの声が……つまり幻聴が聞こえるそうだが、その声に聞き覚えは?」
みょうな質問だな。美琴も少し迷ったようだ。
考えた後に、美琴が答える。
「聞き覚えはないと思います……でも」
「でも? なんだろうか?」
「聞くと、なつかしい気持ちになるんです。私はあの声が悪いものだとは思いません」
シンジ先輩が優しく微笑んだ。彼は自分の人差し指を美琴の眉間に当てる。
「わかった、俺はキミの考えを尊重しよう。では、その“声”を聞いてみようか」
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