第45話 まとめて、潰す。

「……気味の悪いとか、茶番だとか、言い方がひどくないかなあ?」


「いえいえ、先輩。しごくまっとうな感性を持つ者の感想でございますので」


 自分で言うのもなんだけどね。

 ホラー映画みたいな人形劇は勘弁してくれって思うよ……

 というわけで、こいつらにはさっさとご退場を願おう。


「ところで先輩、【物質憑依ポルターガイスト】の能力って、何かに憑依していないといけないと思うんですけど、憑依するものがなくなったらどうなるんですか?」


「……いやーな質問をしてくれるねえ。後輩君」


「でしょー? だからさあ、ついさっき思ったんですよ」


 僕は自分の魔法を使って、視界に映る人形を“すべて”水の檻に閉じこめた。


「“全部”潰したら、あんたふつうに死ぬんじゃないのかなあ、ってさ?」


「し、審判さーん、わたし、降参しま―――」


「あはは、僕、えらっそうなやつ嫌いなんですよ」


 水の檻に閉じこめた人形を、一斉に潰す。

 目に映る限り、すべて、すべてだ!

 新しく召喚された人形も、ノータイムで檻に閉じこめて潰す。

 潰す、潰す、潰す、潰す――

 潰し終えた最後に――


「で、なんでしたっけ? 先輩?」


 最後に1体だけ残った、可愛らしいお人形に、水圧の刃を突きつける。

 「参った、降参、ぎぶあーっぷ!」と、シオン先輩がみんなを笑わせてくれた。


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