第36話 いざ校内選抜大会、準決勝

 校内選抜大会準決勝!

 Aブロック代表の僕は、Bブロック代表を相手に激戦を繰り広げる!

 ……はずがなく、ふつうに相手の隙を突いて呼吸困難にして勝った。


「くそおおおおおおおおおおおお、やることがきたねえぞ、レベル9!? てめえ、それでも学園最強の能力者か!?」


 負け犬の遠吠えが耳に気持ちいいねえ。

 実際、きたないとは的確な評価で耳が痛くもあるけどな……


 だってさー、爆炎だとか、氷の刃だとか、知覚操作だとか、精神操作の魔法だとか、そんな強力な魔法を使ってこられたら、僕だって厳しいし、場当たりで全部を対策できるわけないじゃん?


 勝てる勝負は簡単に勝って拾うのが、僕のスタンスでね。

 それはそれとして、決勝戦に美琴が勝ち上がってくれれば、楽しい勝負ができそうだ。


 その時こそは、僕もせこい小細工はせずに、真っ向勝負を楽しませてもらおう。

 一足先に決勝戦に駒を進めた僕は、美琴に笑いかける。


「楽しみにしているよ。いざ尋常に、だっけ? いい勝負をしよう」


「いえ、まだ準決勝が終わっていません。油断は足元をすくいます。また後で」


 魔法剣士として、美琴は氷のような闘志を身にまとう。

 僕の軽口なんて取り合いもしない……いいねえ、そういうのが僕も好きだよ。

 Cブロック代表VSDブロック代表の戦いが、始まる。

 この戦いの勝者が、僕にとって決勝戦の対戦相手だ。

 ギャラリーが見守る中、グラウンドに現れたのは……


「うふふ、いいしょうぶをしようねえ、天川ちゃん」


 なんだか奇妙な雰囲気をした、目の下にクマをつくった女の子だった。

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