第30話 私があなたの友達です
野球部との戦いを終えて、僕たちは学園からの帰路についていた。
駅前までの帰り道、僕のとなりには美琴がいる。
「すごかったですね、
「へ? なにが?」
「さっきの勝負! 魔法能力の使い方、あんな方法があるとは思いませんでした!」
僕に言わせれば野球部のエースと実力でいい勝負をしていた美琴やギンガ先輩の方が、よっぽどすごいんだけれども……
その旨を伝えても、美琴は「またまた、ご謙遜を!」と、良い笑顔になるばかりだ。
だけど、美琴の屈託なく明るい笑顔が、僕の心を曇らせる。
「あんなインチキを褒めるなよ。ズルをあてにしたって、いいことないぞ」
「いえ、工夫は必要です。そして人を称え信じられる人は強い人です。私はそう思います」
違いない。
ならば、美琴は強く明朗で、僕は弱く卑屈な人間なんだろうさ。
僕がおもしろくもない気分で、前世から続く人間不信に浸っていると……
「だから祭くんも、私と歩む、これからの未来を信じてください」
美琴は迷いも恥じらいもなく、綺麗な笑顔で言う。
「私は、
「…………」
「私が、あなたをサポートしますよ」
うそつきだな。そのウソがいつまで続くのか……僕は少しだけ知りたくなった。
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