魔野球しようぜ!

第21話 野球部との戦いが始まる

「――というわけで、私たち魔法剣研究会と勝負をしてもらえないかしら? 学園長に許可はとってあります」


「は、はあ、さようかい」


 野球部の顧問が、お忙しいところ対応してくれた。

 甲子園出場を目標に、地区大会を目指して練習中の野球部。

 邪魔をしに来たとしか思えない僕らは、厄介者に違いない。


「しかし、勝負とは? 具体的になにを? 魔法剣士の勝負となると、うちの部にはあまり高レベルの魔法能力者はいないんだが……」


「勝負の方法とルールはそちらで決めてもらって結構よ、私たちは挑む者。挑戦者、すなわち大海にこぎだす熱き心の決闘者デュエリストなのだから」


 ポエマーかおまえは。

 困った顔の野球部顧問は、「なら1打席勝負にしましょうか」と提案した。


「おーい、ヒロモト! ちょっと来てくれー!」


「ヒロモト?」


「うちのエースですよ。おたくの同好会の中で、だれかひとりでもこいつからヒットを打てたら……いや、ボールを前に飛ばせたら、そちらの勝ちでいいですよ」


「ふっ、ずいぶんな自信ね、吠えづらを見るのが楽しみだわ」


 あんたの意味不明な自信こそ、どこから来るんだと聞きたいよ……

 運動着に着替えることなく、僕らは制服のままでヘルメットを着用した。


「まずは先輩として、僕が行くよ。ひとまず、ふたりは見ていてくれ」


 トップバッターはギンガ先輩だ。よっしゃ、かっとばせー、先輩!

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