第4話 タツヤと謎の少女と僕 〇

教室内が少しだけ騒がしくなり

視線を移すと、そこに居たのは

長い金髪で空色の瞳をした少女が教室内に居た


「…………。」


見た目だけで言えば美少女と言えるのだが

その少女の瞳には光が宿ってなく

表情は無表情と言って、差し支えなかった


――と言うか、よくよく少女の顔を見てみると

ある1つの事に気が付いた、それは…


僕が以前してたネトゲの自キャラと顔が瓜二つと言う事に

だが少し違うところがあり

それは彼女が少しだけ幼いと言う所である


妄想世界は一応、高校と言う設定になっているのだが

少女の姿は中学生…

いや、下手をしたら小学生と間違えられても

おかしくない見た目をしている


そんな事を思いながら、僕は少女の事を見ていると

彼女と目が合った

そして、その一瞬だが僕を見た少女の瞳が

丸くなり驚いた様に見えた


「………ッ!」

その表情に僕は驚き思わず彼女から視線を外し

椅子に座ったまま反射的に少し後ずさりした

するとその様子を見ていたタツヤがニヤニヤして

僕をガン見していた

正直言って、その表情は気持ち悪かった…


「な~に見てんだセクシャルビースト〇〇〇ゥ~」


「あっ…いや、なんでもない……」


(…てか、セクシャルビーストってなんやねん……)

タツヤから不名誉過ぎる二つ名を言われた…


「なぁ…タツヤ」


「ん?どした?」


「彼女が来てからクラスが騒がしくなったような

 気がするんだけど…あの子って誰なんだ?」


そう言い目線で先程の少女を指した


するとタツヤは腕を組み先程とは

表情が打って変わって訝しんだ表情になった


「あ~彼女か、確か彼女の名前は〇〇〇って言うんだ

 見た感じかなり幼いと思うけど俺らと同じ同級生で――」


そこでタツヤの表情が険しくなった…


「どうした?」


「あっ…いや、そういえばあんな目立つ見た目してるのに

 詳しい事があまりわかんねぇなと思ってな」


「あんな見た目?」


「そうそう、見た目が金髪、青い目で更に幼児体型だろ?」


ナチュラルにめっちゃ失礼な事言ってるやんタツヤ……

ま、確かに彼女は幼い感じのルックスだけどさ…


「ただでさえ浮ついた感じのルックスで

 どっかのハーフだったりするんかなと思ったんだけど

 そう言った話をまったく聞いた事がなくてな…

 あと〇〇〇って、すっげぇ無口なのに

 やたら異性からも同性からもモテているんだぞ…」


このクラスにはロリコンしか居ないのかよっ!!


「な~んか変だと思わないか?」


「まぁ…確かに、変ではあるのかなぁ…」

とりあえず僕は

タツヤに対して適当に相槌を返しておいた


それにしても僕の所属してるクラスには

変態しか居ないみたいだな…


…とまぁ、冗談はその辺にして

確かに、彼女の見た目は僕のクラス内では

かなり目立っているのにも関わらず

何故か学校の校則に引っ掛てる様子もなければ

周囲の人達も詳しい事がわからないなんて

少し変ではあるのかな……


そして、気のせいだと思うが

先程僕と視線が合った際一瞬ではあるが

彼女は少しだけ驚いた表情をしていた様に見えた


まぁ…気のせいではあると思うが…


だが、気のせいではなく

もしかして…僕気が付かない内に彼女に対して

何かやらかしていたのかなぁと思ったが…

まぁ……とりあえず僕は…………

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る