第61話
:え……?
:今、なんて?
:草ァ!wwww
:【悲報】リリーお嬢様、他人のゲロ見て興奮するやべー女だったww
:放 送 事 故
:オイオイオイオイ
:盛り上がってきたーー!w
一応
『え……は? な、何言ってるの……』
『何を言っている? それはそちらではなくって? 喋る暇があるならとっとと吐瀉物ぶち撒きあそばせ? さもなくば腹パンして吐かせますわ』
『や、やばい女だ……!!』
:魔物にやばいと言わせるお嬢様草
:おもしれーやべー女
:正体現したわね
:なwにwこwいwつw
:汚嬢様だった
:もう後戻りできないゾ♡
:〜現在進行系でキャラ崩壊中〜
:今北。お嬢様嘘だよな……?
:大マジなんだよなぁw
ボキボキと指を鳴らし始める凛理に対して、彼女の理不尽さに驚きを隠せない人型の魔物。
こうなったらもう止められないかなぁ……。
『本当にピンチなのですか? 先程は「魔物のに囚われて今にも吐きそうで」とかなんとかほざいていたのに……』
『ピンチよ! バカじゃないの!!?』
『あ゛? テメェぶち殺……いや、まだ勿体ですわね。えー、まず貴女の言葉暴力罪、ワタクシを騙した詐欺罪、ゲロ吐かなかった罪。そして魔物との共犯罪……っと』
『え、は?』
『えぇ、これでなんの心配もせずに現行犯にて粛清できますわね!』
すると凛理はふりふりのスカートの中に、下から手を突っ込んで何かを取り出した。ガチャッという音を立てて構えた物は――ロケットランチャーだ。
:どういうことだよww
:言葉暴力罪ってなんやねん
:↑ゲロ吐かなかった罪の方がわけわかんねぇだろww
:ロケランきたー!
:リリーお嬢様は剣で凛々しく戦う……あれぇ???
:リリーお嬢様は4んだ。これからはリリー汚嬢様の時間だ
:ON DUTY!!!
:このお嬢様こy
:どっから出した!?ww
『な、なんで魔物じゃなくて貴女に殺されそうになってるのよ!?』
『そりゃあ……ねぇ? ケジメつけなきゃいけませんよ。無様で間抜けな辞世の句が楽しみですわ〜♪』
『誰かーー! 助けてーー!!!』
悲痛な魔物の叫び声がダンジョン内に響き渡るが、自らで出口を塞いでいるためその声が他の探索者に届くことはない。
罠に嵌めたと思っていただろうに、自らの首を絞めていることに今気がついたのだ。
『ひ、人の心はないんですか!!?』
『あぁん? そんなもんは犬畜生に食わしました。それで犬畜生の餓死を防いでみせましたの。ふふっ、正義のヒーローですわね!』
『正義のヒーローはワンちゃんのこと犬畜生って呼ばない気がするんですけど!?』
凛理は満面の笑みでロケットランチャーを構え、片目を瞑った。
『うるせぇ口ですこと……。とっととロケランぶち込んで黙らせますわ。では、殺します』
『え、いやいや、待っ――』
『5!! 4!!』
――チュドォオオオオンッッ!!!!
カウントダウンは意味が無く、ロケットランチャーが炸裂して魔物は跡形もなく消滅する。
『これは失敬、勘違いさせてしまったようですね。ワタクシ、ただ〝5〟と〝4〟が言いたかっただけですの』
:ファーーーwww
:カウントダウン「……???」
:5と4だけ言いたくなることある?w
:な に こ れ
:お嬢様やりやがったww
:聞く耳持たず
:イかれてんだろw
:粛清完了☆
:お嬢様と魔物、ハジけてるなぁ(片方は物理)
:だいぶ強い魔物だけどなんで一撃で倒せるんだよww
:さすが汚嬢様ですね!
爆発で燃え広がる炎をケラケラと笑いながら見守る凛理。数分前に見せていた綺麗な姿は皆無で、今は狂気に満ちていた。
やっぱり相変わらずだねぇ……。
『ま、どうしても許してほしいというのならば……そうですねぇ』
破天荒なお嬢様キャラのリリー……本名――
さらには……。
『指詰めあそばせ♪』
――極道の娘である。
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「ふぅ。塵芥に還元完了です」
ワタクシに突っかかってきたやつをロケランで消し炭にしたあと、スカートにロケランを突っ込んで収納をした。
もともと魔物だと気がついていたし、良い話し相手になった。
ふと震えたスマホを手に取るとそこには、
咲太:凛理、配信切り忘れてるよ
マイダーリン涼牙♡(ピン留):配信切れてないぜ!
「…………えっ?」
そんな文字が見える。
フヨフヨと浮いている配信用カメラはジーッとこちらを見つめており、それが何を意味しているかは瞭然だった。
「やらかしてしまいましたね。うーん……ごきげんよ〜!」
――チュドォオオオオンッッ!!!!
配信用カメラにロケランを再びぶち込み、無理やり配信を終了させたのであった……。
[あとがき]
わかる人にはわかるでしょうが、凛理のキャラはつ○浦匠が大きく関わってるぜ!
第2章ではキーパーソンになる予定でございます。
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