C L O C K 〜時間停止ヒーローが引退を決意したけど周りが放っておいてくれない件〜

専門用語集（１）

C L O C K において使われている専門用語などの解説です

ここまでの物語において読まれていれば特に問題のない内容ですが、最初から読むとネタバレ全開ですのでご注意ください

【ヒーローの労働時間】

　ヒーローは超法規的処置において未成年労働が黙認されている

　サービス残業が発覚した場合、厳重な処罰と監督責任が責任者に問われる。

【ヒーローショップについて】

　ヒーローショップはオフィシャルヒーローグッズも取り扱っているが、本人の承諾を得ていないいわゆる同人グッズのヒーロー・ヴィランのグッズも取り扱っている

　これに人権団体からの非難は少なからず存在しているが、非合法ヒーローすなわちヴィジランテなる自警団志望は、公的手続きでの認可を得るように推奨されている

　ヴィランに関してはその一種のアイドル性を帯びるリスクがあるものの、危険性と能力、外見などの周知のために黙認されている面もある

　そのため公的ヒーローと違って、解説本のような調査、暴露本なども不自然なほどに早く出回り、対策をされるという・・・

【怪塵・ヴィラン通報アプリ『タッキング』】

　先進国の９０％以上の人間が所持している汎用型携帯端末を異常現象に対する通報及び索敵装置として適応するためのアプリ

　一度スイッチが入れば、周囲数百メートルの端末全てに確認のメッセージが出力され、市民の適切な協力の元に速やかに情報共有される。

　導入初期はイタズラ目的などでの誤動作も多かったが、繰り返す誤報動作に威力業務妨害罪、悪質であれば国家治安騒乱などが適応されることになった

　監視カメラやアプリの連動、それ以外の協力の下精度は年々上昇しており、悪質な能力犯罪者の摘発率も上がっている

【伝承級（フォークロア）】

　地方伝承、都市伝説、噂話などの領域に留まる怪塵及び能力区分け。

　幅広く数こそ多いもの、より進刻な状態にまで悪化しなければモチーフすらも検討が付かない場合が多い。

　日本においては妖怪と呼ばれる存在が多く出現し、だがしかし、どれ一つして意思と呼ぶべきものはない。

　奴らは空想にすぎない

【俳優】

　演劇・映画などに出演することを生業にしたもの。役者。神に奉じる祭りを行う者。

【俳優】（アクトレス）

　自身に与えられたモチーフに則り、超常的な力（アクト）を起こす超人。

　多種多様な性質と人間の創作力に用いて存在しえる可能性を保有するとされる存在。

　ただしその力はあくまでもモチーフに則り、逸脱することはない。

【役割定義（アクト）】

　モチーフになった物語の配役、役割が持ち得る力を超常的に振る舞うもの。

　ただしその物語は原典にとどまらず、幾度にも版を重ねて、内容が修正されたものまでも含む。

　それ故にシンデレラは魔法使いから、魔法の木による加護、意匠箱による継母殺害、銀や金の靴までをも解釈の範囲内と扱っている。

　近代であればイメージを浸透させる映画作品、夢の国によるアレンジメントまでも大きく影響している。

　この版権違いによる違いは、著名であり歴史を重ねている物語であればあるほど顕著であり、カトルカールのモチーフもまたその恩恵を大きく受けている。

【怪塵対策特殊班（エディター）】

　日本国内に複数の支部を持つヒーロー及びプルーフリーダーの管理機構。

　ここに直轄所属しているヒーローやヒロインを政府公認、企業や警備会社に属するヒーローやヒロインを企業付きと区別される。

　各所属に対する強い権限を持ち合わせているが、直接的な武力は所属しているヒーローに依存している。

　あくまでも彼女たちを支える黒子たちであり、潤滑油として設立されたものでしかない。

　日々怪塵やヴィラン事件に対する調査、監視、ヒーローたちのマネジメントを行っている。

　かなりの激務だが、ここに所属していたことを経歴とするために有望なヒーローが所属し、そのあと転職して華々しく固定ファンを創るなど一種の登竜門のように扱われている。

【怪塵の階級】

アクターの階級には４つの分類がなされている

フォークロア（伝承）

　都市伝説、地方伝承などのマイナーな寓話

メルヘン（童話）

　世界的な認知、創作からなる童話の物語

レジェンド（伝説）

　伝承、誰もが知る英雄、摩訶不思議な御伽噺

ミソロジー（神話）

　神話と呼ばれるもの

　三十年前においてのみ唯一現れた全ての災厄

　聖書に描かれる黙示録の予言からなる騎士たちは、人類の多くを４つの結末へと導き、封じられた

　人類はその恐怖を未だに拭いきれていない

【抗正機動隊】（プルーフリーダー）

　前時代における警察機動隊が、警察機構と自衛隊の統一化された際に再編された武装機動隊の総称。

　対怪塵、対俳優の出現に応じて出動し、鎮圧を行う。

　基本的に人間以上、俳優すらも凌駕し得る怪塵に対して単独での鎮圧率は低いが、アクト対応の多重剥離型装甲、複数種類の特殊散弾に、全部隊員共有の配信対応データリンクによって、怪塵のモチーフを照合、被害を抑え込む。

　対怪塵に対してはやや火力不足が指摘されるが、一部のエースとされる隊員はパワーアシストを行う強化外骨格の併用もあって怪塵の撃破も成しており、人口数の少ない非首都地方においては、俳優以上の主力として配置されている。

　その武装と性質上、ヴィランとされた俳優の殺害数がもっとも多い

【Lighting】

　・照明をつけること。

　・写真が目的通りの仕上がりになるよう、被写体に当たる照明をコントロールすることをライティングと呼ぶ。

【Teal ＆ Orange】

　現代映画作品において良く使われているカラーグレーディング。

　水色とオレンジには補色関係があり、明暗にメリハリのある映像を生み出しやすい。

【力の代償】

　俳優と怪塵が行使する＜力＞には必ず代償と制約が存在する。

　カトルカールならば溜め込んだカロリーの消費、マイフェアレディは燃え滓の灰、火車であれば炎上した車輪（エンジン）が必要になる。

　それは燃料であり、触媒であり、或いは制約と同意義であり、これがない力（アクト）は存在しない。

　万能の魔法がないように。

　万能の機械仕掛けの神も確認されていない。

　責任無き自由がありえないように、制限なき力はナンセンスではなく、興ざめだ。

　何でも叶えられるスーパーマンは待ち焦がれていて、まだ現れていない

【ジッター】

　電気信号の時間的な揺れを原因の映像や音声の乱れ。

　データ通信における伝送速度のばらつきなどを指し、アナログでもデジタルでも起こり得る。

　あるいは突如として現れた謎の神速ヴィジランテのネーム。

　かつていた超速ヒーロークロックの遺志を継ぐ謎のヴィジランテと言われるが、その正体は謎に包まれている……

【ヘンゼル】

　ヘンゼルとグレーテルより登場する兄妹の兄。

　飢饉に際して口減らしに捨てられる兄妹の兄であり、月明かりの下で光る白い石や、お弁当にもたらされたパンをパンくずにして道に撒くなどの知恵を働かせる。

　泣き腫らす妹を常に励まし、魔女に捕まり、牢屋の中にいれられてもなお盲目の魔女に食事の残りの骨を握らせてごまかすなどの知恵を働かせた。

　彼は家へと帰った。

【グレーテル】

　ヘンゼルとグレーテルより登場する兄妹の妹。

　飢饉に際して口減らしに捨てられる兄妹の兄であり、魔女に捕まり、兄を肥えさせるための食事を作らされ続ける。

　彼女は神に苦しみからの解放を願い、神はその祈りに答えた。

　彼女は魔女をパン窯の中に押し込んで焼き殺した。

　ヘンゼルとグレーテルは翻訳や子供向けの描き下ろしの際に幾つか内容が変更され、その中に一つ。

　魔女の家で、グレーテルは魔法を身につけるというものがある。

　彼女は家へと帰った。

【お父さん】

　ヘンゼルとグレーテルより登場する兄妹の父親。

　兄妹を捨てたこと後悔しながら暮らし、二人の帰還で幸せになった。

　彼は何もしなかった。

【お母さん】

　ヘンゼルとグレーテルより登場する兄妹の母。

　兄妹を捨てた後、病にかかり死んだ。雷に討たれて死んだ。魔女と同一視され、窯で死んだ。二人が帰った頃には故人となった。

　彼女はいなくなった。

【ダブルキャスト】

　一つの役を、二人の役者が演じること

　あるいは一つの公演に対して、同じ役柄を二人の役者が期間ごとに演じること。長期の公演などでよく起こる。

【スターシステム】

　スターとなる俳優を中心に、舞台や物語を用意すること。スターを輝かせる、そのための仕組み。

　海外でいわれるその仕組みは、日本においては――――

【ヴィランの人権】

　明確な重犯罪行為が確認された俳優はヴィラン認定が執行される。

　これは本人がモチーフに飲まれた状態と認定され、同時にISHMを通してあらゆる公共機関の使用停止、資産凍結、人権が凍結処理される。

　これは広義としての怪塵と同じ扱いになり、銃火器などを用いた無条件での射殺許可が降りる。

　その支配的な対応に人権団体による抗議や、俳優遇主義者などによる反発も大きく、国によって難しい舵取りが迫られている。。

　国家によって多少の差異はあるものの国連によって認められた国際的絶対法律として周知されている２２の絶対法則の１つ。

【２２の絶対法則（トウェンティツー・ルール）】

　幻想再臨以後、社会生活を保つために定められた国連による２２の法則。国連社会に所属する人類国家は全てこれに基づいて法律の修正や削除、追加を行った。

　その製作には政治家、法律学者、神学者、劇作家、映画監督など多くの人員が秘密裏に集められて定められたと噂されている。

　その大規模な変革に幾つかの国や団体は反対、宗教団体においては反発する姿勢を掲げているが、その過半数が怪塵とヴィランによる事件が絶えない。

【ISHM】

　International Standard Human Numberの略語

　３０年前の幻想再臨から全人類に対する共通規格として番号表記が定められた

　出身国家、人種、性別、など検索と管理のために与えられたユニークコード

　日本においてはマイナンバーカードなどに記載されている。