第3話 逆ギレ

☆(長住桜)サイド☆


私は.....悪い事をしている気がする。

だけど良いよねこれぐらい。

そう考えながら翌日だが私はルンルンで隼人の部屋をノックする。

「隼人。準備できた?」と声をかけてみる。


「.....ああ」

「そっか。じゃあ行こうか」

「そうだな。行くか。遊園地」


それから出て来た隼人を見る。

隼人の服装はカジュアルな感じの上着を着ていた。

凄く格好良い。

私はそう考えながら「えへへ」と言う。


隼人も笑みを浮かべていた。

そう。

これで良いのだ。


私は浮気をしている訳じゃない。

これはあくまで私を満たす為なのだから。

思いながら私はそのまま私は隼人の手を握る。

すると隼人は少しだけ痛みを感じた様な顔をした。

うん?


「隼人?どうしたの?」

「.....いや。ちょっとな。考え事をしていた」


それから私達は家から出る。

因みに今日は春は部活があるという事で家には居ない。

私は(配慮をしてくれたんだな)とも思えて感謝の気持ちが湧いた。

そして私は隼人と家を出てから駅に向かい電車に乗る。


「.....隼人。今日は楽しみだね」

「.....そうだな。楽しみだ」


そして私は笑みを浮かべながら隼人の手を握る。

隼人はまたチクッと何かで刺された様な感じの表情をした。

私は「?」を浮かべたが(まあ気のせいだろう)と思いあまり気にしなかった。

そうしてから2駅先の遊園地に着いた。


「クマさんが居るねぇ」

「そうだな。遊園地のマスコットキャラじゃなかったか?」

「だよねだよね!」


それから私は隼人と一緒にそのまま駆け出して行く。

どれから乗ろうかな。

そんな事を考えながら周りを見渡していると隼人が「なあ。ジェットコースターはどうだ?」と言われた。


私は目を丸くする。

だけど次には「そうだね!」と笑顔で答えた。

それから「ちょっとお手洗いに行って来るから」という隼人を見送ってからそのままチケットを買いに行った。

そして隼人を待つが。


何故か隼人が来ない。

なかなかトイレから出て来なかった。

すると隼人から(すまない。ちょっと体調が悪いから事務所に行って来る)と文章が送られてきた。

私はその事に目をパチクリして(大丈夫?)と送った。

それから私は事務所という場所に向かったが隼人は居なかった。


「.....どこに行っちゃったんだろう.....」


そんな呟きは空に消えてしまった。

それから私はずっと待っていたが.....。

1時間待っても戻って来ない。


(隼人?どこに居るの?)


そうメッセージを送ろうとした時。

春からメッセージが来た。

そこにはこう書かれている。


(お姉ちゃん。お兄ちゃんを貰うから♪)


という感じで.....え?

私は飲み物を落とした。

そして(春?それはどういう.....)と打つと春は(その通りだけど?)とメッセージを送ってきた。

顔が引き攣っていく。


(待って待って。意味が分からない.....)

(貴方の胸に手を添えてみたら?何でこんな目に遭うのか)

(.....わ、私は.....)

(貴方は何か悪い事をしてない?)

(.....!)


私は青ざめる。

それから(だ、だけどそれで奪う事になるなんておかしい!)と言い返したが春からは(私達、打ち合わせしていたから。ずっとね。お姉ちゃんが最低な真似をするから)と文章が送られてきた。

私は更に焦る。


(待って待って!それで何で隼人.....!?)

(私は貴方が妬ましかったから。だからお兄ちゃんを慰める為に貰うの。お兄ちゃんを大切にするのに.....じゃあね)

(そんなの酷い.....!)

(酷いのはどっちかな。あ。もう家の家事とかしなくて良いよ。全部私がするから。何か混ぜられたりしたらマズイしね)


「貴方は料理なんか作れないでしょ!」と私は大慌てで反論する。

だがそのまま通信は遮断された。

それだけではない。


通信が遮断されたどころかメッセージが送れなくなった。

私は青ざめながら地面に転がるジュースを見る。

それを勢いよく蹴っ飛ばした。


「何で!!!!!」


そう絶叫しながら私はその場から去る。

まんまと春に嵌められた。

クソッタレが。

私がおかしいのか?

そんな訳ないよね.....?


「絶対に許さない。.....春め」


そんな事を言いながら私はジュースの入っているカップを握り潰す。

それから私は鞄をかけ直してから遊園地を後にしようとした。

だがせっかくチケット代を払ったのだ。

楽しまないといけないか。


「気晴らし程度に」


そして私はジェットコースターだけ乗ってからそのまま歯を食いしばった。

それからギリギリと音を鳴らす。

もう妹じゃない。


明確なる私の敵だ。

思いながら私は(敵は全部処理しないと)と思いながら歩き出す。

どこに居るのだ?


「.....私に黙って.....春め。.....渡さない。世界のあらゆる恋は私のものだ」


そんな言葉を言いながら私は春を妬ましく思いながら歩き出す。

そして自販機で飲み物を買ってから追跡を開始した。

何処にいるのか見当もつかないが。

基本的にお金が無い学生の身分で行ける所といえば.....。

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