第75話 ミニスカート

「外の風に当たろうか?」茉白ちゃんがふと漏らす。


「そうだね」僕は頷いて外へ出る。


 改めて茉白ちゃんを見た、可愛いミニスカートで、僕はドッキリしてしまう。琴音さんが言ってたように可愛い下着なんだろうか?おっと、僕は何を考えてるんだ!慌てて妄想を吹き消す。


「茉白ちゃん、ミニスカート似合うね」


「恥ずかしいよお〜」


「足も綺麗だし、ドキッとしちゃったよ」


「もう〜恥ずかしいからジロジロ見ないでね………」茉白ちゃんは上目遣いで僕を睨んだ。


「うん………でも………やっぱり綺麗だよ………」



「あっ、そうだ!」僕は思い出したように部屋へ入り、リュックの中から小さな箱を出す。ウッドデッキに出ると、茉白ちゃんへ手渡した。


「何?」茉白ちゃんは首を傾げる。


「開けて見て」


 茉白ちゃんはそっと箱を開ける。中からブレスレットが出てきた。


「これって軽井沢で見てたやつじゃない?」


「うん、多分そうだと思う」


「どうして?これって確か値段が高かくてびっくりしたやつだよね?」


「うん………でも茉白ちゃんに似合うだろうなってあの時思ったから」


「でも、こんな高価なものは受け取れないわ」首を横に振った。


「茉白ちゃん、僕は初めて出版社からお金をもらったんだ、そしてプレゼントを探してた。そうしたらこれを見つけたんだよ、なんか運命を感じちゃってさ。僕の初めて書いた文章で貰ったお金だから茉白ちゃんへ記念になるものを送りたかったんだ。奈津美ちゃんや伊里亜ちゃんから茉白ちゃんをほっといてるって怒られた時に気がついたんだよ。茉白ちゃんは忙しい僕を何も言わないで優しく見守ってくれていたんだってね。だからそのお礼も含めて誕生日のプレゼントさ、きっと茉白ちゃんに似合うと思うよ」


「星七君………私………どうしよう………どうしたらいいの?」


「つけてみてよ」


「じゃあ、星七君がつけて………」


「うん」


僕は茉白ちゃんの腕にブレスレットをつけた。


「ほら〜、凄く似合うよ」


「ありがとう星七君」


 僕は茉白ちゃんを抱きしめてキスをした。


『パシャ!』突然フラッシュが光った。


「え………」僕は光の方を向いた。誰か黒い影が僕らの写真を撮っている。


 僕は思わず駆け出して影に近づいた。


「誰だ!」その影を睨んだ。


見ると女の子が震えている。


「へ………何してるの?」少し拍子抜けした。


「星七先輩!決定的瞬間を撮影しました。これで私の話を聞いてくれますよね!」震えながら睨んでいる。


「誰?」僕は全身から❓マークを大量に放出している。


「石田美波です!」唇を尖らせている。


「ごめんね、状況が把握できないんだけど………」


「あんなにいっぱい書き込んだのに!」さらに怒っているようだ。


「とりあえずこっにおいでよ、中で話を聞くから」僕は彼女をウッドハウスへ誘導した。


「星七君、誰?大丈夫?」心配そうに見ている。


「大丈夫、心配ないよ」


「とりあえず中に入って、全てはそれからだ」僕は中のソファーへ案内した。


「茉白ちゃん、お茶を出してあげて欲しいんだけど?」


「うん、分かった」ペットボトルのお茶を用意してくれた。


「とりあえず、これを飲んで」お茶を勧める。


「ありがとうございます」ゆっくりとお茶を飲むと、ふ〜っと多めの息を吹き出した。

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