第14話剣の思い
剣「俺の妹は死ぬほど可愛いんだ」
そんな意味の分からない言葉から話しは始まった。
剣「もうそれはそれは可愛くて目に入れても痛くないんだ」
闇野「そんでその妹がどうした」
僕は呆れながらも話の続きを求めた
剣「そうだな。俺がこのゲームに参加した理由がその妹なんだ、俺の家系は典型的な男尊女卑でな、男が強く女が弱い、それに男には強さが求められ女には家庭的な要素が求められる。」
神姫「時代錯誤にも程があるわね、死ねばいいのに」
剣「そうだな俺もそう思うよ。でも俺も最近までその考え方だったんだ、女は道具、俺が強ければそれで良いと…」
別に変なことじゃない周りがそんな奴ばっかだと常識がそれになるだからしょうが無いと言えばしょうが無い
剣「俺がその考え方に疑問を持ったのは妹が生まれた時だ、こんなにも可愛く優しい存在を無下にしていた、自分の愚かさに気づいたよ。だから俺は変わった自分の為で無く、妹の為に強くなろうと、そして俺がこの家を変えようと!」
ええ話やんなんでこんなゲームに参加してんだ?
剣「でも現実は甘く無かった。近いうちに妹がメイド修行に行くことになったんだ」
闇野「それの何が問題たんだ?確かにお前の家の考え方はヤバいが今すぐどうこうなる話じゃ無いだろ?」
剣「普通のメイド修行なら問題無いが家の修行はレベルが違う」
闇野「レベルが違うって?」
剣「この修行は1年間行われる妹はまだ小学生だからそれだけでヤバいが、こんなもんじゃ無い。マジで死ぬ程キツイらしい…俺も噂で聞いた程度だが、毎年かなりの重症者が出ていて後遺症が残った物もいるとか」
桜木「なんだそれは!小学生には荷が重すぎる」
剣「そうだな、でも1番ヤバいのは卒業式だ」
闇野「卒業式?」
剣「全ての修行を終えて完全に家の従者になるための準備……子宮摘出手術。」
闇野「………は?」
桜木「何を言ってる?」
神姫「ど…どうせそれも噂でしょ?」
剣「これは紛れもない事実だ。昔俺に仕えていた女性が微笑みながら教えてくれた。」
桜木「………」
神姫「………」
闇野「………」
この話で1番おかしいのはその女性が微笑んでいた事だ。完全に洗脳されている。
剣「俺は全力で家族に辞めるよう抗議した。でも誰も聞く耳を持たなかった。俺は妹に普通の人間として、普通女の子として生きてほしい。普通に友達と笑い、普通に恋をする、普通の女の子になってほしいだ。だから願う事にした。神にこの家の考え方を変えるようにと…」
誰も口を開かなかった。いや開けなかった。ここにいる者全ての予想を超えるほど頭のおかしい話だったからだ。
剣「別に同情してほしいわけでも、手加減してほしいわけでも無い。独り言で流してくれ」
最後に剣は寂しく笑った
闇野「なんか…悪かったですね」
剣「だから…」
闇野「いや、そういうことじゃなくて、僕ずっと人の心が無い冷酷無比な人だと思ってたんですよ」
剣「…もう少しオブラートに包め」
闇野「でもそんな事なんですね。すいません見た目で決めつけて」
そう言って闇野は笑いながら軽く頭を下げた。それは自分殺そうとした者に取る態度では無かった。
剣「お前…俺はお前を殺そうとしてたんだぞ?」
闇野「過去は過去、今は今です。」
剣「はぁ〜〜〜」
呆れたため息が出た。でもそこにはもう今までの溝は無く。こんな関係がずっと続く様に願う関係になりつつあった。
ミノタウロス「ブモォ〜〜〜〜」
俺達は忘れていたこのゲームに追加されたルールを、
アナウンス「レイドバトルが始まりました。」
<討伐対象:ミノタウロス>
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