第15話 レイドバトル


アナウンス「ミノタウロスの討伐を開始します。」


その声が聞こえると同時にミノタウロスが右手に持っている大きすぎる斧を振りかざした


闇野「シールド!!」


ズガ!!と重々しい音が響いた


闇野「いや、危なすぎるでしょ?!こんなん当たったら即死だわ」


剣「お前ら木刀を返せ!」


闇野「それもそうですね」


返せば逃げられる可能性もあった、でも今はその可能性を捨てないとあの斧に斬り殺される。だから!


俺は障壁を解除し木刀を剣に蹴り飛ばした。


剣「俺の武器だもっと丁重に扱え」


そんなことを言いながらも剣は木刀を取った


闇野「おら!!」


そして俺は気合を入れて斧を弾いた


闇野「一度距離をとるぞ!体制を立て直す」


そう言って後ろに下がろうとした時


剣「邪魔だどけ!」


そう言いながら剣は俺を突き飛ばして進みだした


闇野「おい何やって…」


俺の静止も虚しく剣は走って行ってしまった…


ミノタウロス「ブモォブモォ〜〜!!」


剣「吠えるなうるさい」


確かにデカい、こいつの攻撃をくらえばひとたまりもない…だが遅い!どんな攻撃だろうと


剣「当たらなければ意味がない!」


そして俺の木刀はミノタウロスの斧を叩き斬った……ボキッ


剣「折れた?!」


能力が発動する前に木刀を折られた、まずい攻撃を避けられない…


闇野「シールド!!」


俺を切り裂くはずの巨大な斧は俺の前で止まった…


闇野「言わんこっちゃない、だから一旦距離を取れと言ったのに」


そこには俺が今までずっと殺そうとしていた男がいて…俺を守っていた。


闇野「一旦引くぞ相手の情報がなさすぎる」


剣「出来るわけ無いだろ!!」


剣は怒りをあらわにして言った


剣「俺はただ妹に普通に生きて欲しいだけなんだ。普通に笑って、普通に泣いて、普通に恋をする。そんな普通の生活を俺は妹に送らせてやりたいんだ」


闇野「……」


兄として当たり前の願い、人間として当然の権利、それを勝ち取るために…


剣「だから俺が剣になると決めたんだ!」


闇野「剣?」


剣「妹が普通に生きていけるようにあいつの迷いも、間違いも、恐怖も、全部断ち切る剣になると決めたんだ!だから…」


闇野「ゴクリ…」


剣「俺がお兄ちゃんとして折れるわけにはいかない!!!」


闇野「しまらねぇよ?!」


まぁでも…


闇野「そういうことなら協力するぜ」


剣「雑魚のお前に何が手伝える?」


闇野「おいおい何か勘違いしてるみたいだから教えといてやる。俺はお前に勝った、だからお前の方が俺より弱者だ。」


剣「言ってくれるな?なら存分に借りるとするか…で?何か作戦は?」


闇野「お前の能力、棒なら何でも発動するのか?」


剣「……まぁある程度の長さの棒なら」


闇野「ならここに絶対に折れない剣があるんだが?」


そう言いながら俺は障壁を刀の形にして剣の前に差し出した


闇野「これなら切れるだろ?」


剣「すぐ折れそうだがな」


そう言って剣は俺の即席ソードを手に取った。


闇野「俺達が道を作る。お前は何も考えず走りきれ!」


闇野「そっちの二人〜〜剣を全力援護〜〜!!」


それを聞いた二人は即座に動きたした。


剣「良い動きだ」


俺はそう小さく声を出しながら走り出した。


闇野「シールドロード!」


闇野のがそう言うと少し歩きやすくなった


剣(障壁を地面にひいて足場を作ったのか)


ミノタウロス「ブモォ〜〜〜?!」


異変に気付いたのかミノタウロスが威嚇する


剣「どうした?俺が近づいて来るのが怖いか?」


ミノタウロス「ブモォーーーー!!!」


挑発で怒ったかさらに強く威嚇した


剣「面白い、リベンジマッチだ!」


そう言いながら剣は大きくジャンプした


闇野「シールドで階段作ってやるよ」


剣「助かる」


障壁を足場にして徐々にミノタウロスの顔に迫っていく


剣「やっとついたぞこれで終わりにしよう」


剣は障壁で作った刃を振り上げた


ミノタウロス「ブモォーーー!!!!」


剣(早い?!間に合わない)


桜木「せぇぇぇぇい!!」


大声と共に矢が飛んできたそれがミノタウロスに当たり少しミノタウロスの攻撃が遅くなった


闇野「シールド!」


そしてその隙に闇野が障壁を張った


剣「完璧だ…一刀両断!!!」


ズバッ剣の刃はミノタウロスを真っ二つにした


ミノタウロス「ブモォ〜〜〜〜〜〜……」


ミノタウロスは光の粒子になって消えて行った…


剣「終わった……」


俺が倒れ込んでいると上から手が差し伸べられた


闇野「だから言ったろ?絶対折れないってな」


笑顔でそういう闇野がいた

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